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[公開練習]2024.4.23

ルイス・ネリ「井上尚弥の弱点を見つけた!」

番狂わせに自信!
 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)に挑戦するWBC同級1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)が23日、都内の帝拳ジムで公開練習に臨んだ。

 5月6日(月・祝)、東京ドームで開催される「Prime Video Boxing 第8弾」のリングに上がるネリは、「井上は無敗のチャンピオンなので、自分が不利なのはわかっている。しかし、弱点はいくつかある。それは、5月6日に見てもらうことになる」と不敵な笑みを浮かべた。

 マイク・タイソン対ジェームス・ダグラス戦以来、34年ぶりに行われる東京ドームでのボクシング興行。圧倒的不利の中、ネリは大番狂わせに自信を示した。
70人超の報道員
 「用意していたスリッパが全部なくなるのは初めてかもしれない」(ジム関係者)。70人を超える大勢の報道陣が詰めかける中、ネリが現れた。「時差ボケがすぐに解消されたよ」と話したが、会見前にはあくびをしていた。多くのメディアを前にしても、そのくらい落ち着いているということだろう。

4年前から戦いたかった

 会見に臨んだネリは、「井上とは4年前から戦いたかった。WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)に参加したかったが、自分が呼ばれることはなかった。井上と戦うために、ずっとこのチャンスを待っていた」とビッグマッチに胸を躍らせた。
「弱点はいくつかある」
 「世紀の番狂わせ」タイソンvsダグラス戦は、ドキュメント映画で見たことがあるという。「倒れない選手でも倒れるんだと思った」。井上のスパーリングパートナーとして来日していたメキシコ人選手から情報収集したようで、「(井上は)ディフェンス以外にも弱点がある」と淡々と話すと、「何ラウンドになるかわからないが、KOする。タイソン対ダグラス戦のような驚く結果になる。勝って4団体統一を成し遂げる」と勝利を誓った。

井上の練習パートナーから情報収集

 コンビを組むサニール・ロサーナトレーナーは、「5ヶ月間、キャンプを張ってとても良い仕上がり。すべてが充実している」と、万全のコンディションに太鼓判を押しながら、「井上選手は良い選手で、たくさんの引き出しを持っている。しかし、弱点もある。そこを突いていきたい」と、ベルト奪取に自信たっぷりだった。
「井上は過大評価されている」
 ネリは「スピードがあってパワフル。キャパシティがある。すべてがグレート」と、世界的評価が高いモンスターの実力を評価した。

 しかし、海外メディアに「井上は過大評価されている」と話したことについて聞かれると、「本当にそう思う。タパレス(マーロン・タパレス=比)を倒すまでに10ラウンドかかった。良い選手だと思うが、バスケットボールでいうマイケル・ジョーダンのような選手ではない」と落ち着いた表情で語った。

 「これまで井上に負けた選手は、決心とパンチの数が足りなかった。2人にとって厳しい試合になるが、すべてを出し切り、死ぬ覚悟で戦う」と言葉に力を込めた。
回転力を活かしたコンビネーション
 会見後には、シャドーボクシングとミットを1ラウンドずつ披露。全力打ちではないが、ワンツー、左アッパー右フックのコンビネーションは回転力があり、左右アッパーは威力を感じさせた。

 予定していたサンドバッグ打ちはやらなかった。
井上真吾トレーナー
 偵察に来ていた井上真吾トレーナーは、「ワイルドな打ち方は、上でもなく下でもなく想定内。本気ではやっていないと思うが、パワフルさは感じたが、キレはそう感じなかった。体は思っていたよりコンパクトで、全体的に大きくは感じなかった」と感想を語った。

 井上のスパーリングパートナーから情報収集をしていたという発言があったが、「うちとしてはやりたいことをやれたので、何とも思わない」と意に介さず。ネリの「弱点を見つけた」というコメントに関しても、「これまで誰もが言ってきたが、どこを持ってきても結局、生き物なので対戦した時に尚弥に何もできなかった」とまったく気にしていなかった。

 「リスペクトしながら、自分の気持ちも出していた。それは、ほかの選手も同じ。思いのほか、サックリと終わるのか、激しい試合になるのか、どっちもあり得る。あとは本番になってみないとわからない」と、答えはリングの上だとした。