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[試合後会見]2024.4.17

堤駿斗が元世界王者モレノと激突!

堤駿斗(志成)が攻め込む
 前OPBF東洋太平洋フェザー級王者の堤駿斗(24=志成)と元WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級王者のアンセルモ・モレノ(38=パナマ)が17日、後楽園ホールで行われた「LIFE TIME BOXING FIGHTS 20」のメインイベントで対戦した。

 前日計量で堤は、フェザー級リミットを1.6kgオーバーし、2回目の計量もクリアできず。両陣営で話し合いが行われ、試合当日の午前10時に再計量を行い、堤は61.12kg以内であれば試合が行われる運びとなった。堤は60.9kgだったため、試合が決行された。
KO勝ちにも笑顔はなし
 堤がプレスをかけて右ボディストレートで仕掛けていくと、サウスポーのモレノは、広くスタンスを取りながら、ジャブを飛ばして対抗。しかし、パンチに力強さは感じられず。3回、堤は上下の打ち分けから左アッパーでダウンを先取。再開後、パンチをまとめて右アッパーで倒して、10カウントを聞かせた。勝利した堤だが、笑顔は一切見せなかった。
客席から「反省しろよ」と声が飛んだ
 試合後、リング上でマイクを握った堤は、「計量オーバーしてしまい、大変申し訳ございませんでした。ボクシングという競技を汚してしまった。本当にすみませんでした」と謝罪の言葉を並べた。すると客席から「ちゃんと反省しろよ!」と声が飛んだ。続けて、「今日は何も言うことはありません。申し訳ございませんでした」と頭を下げると、最後は拍手が送られた。

モレノと陣営、関係者、ファンに謝罪

 その後、囲み取材に応じた堤は、「この日のためにコンディションを作ってきたモレノ選手に対して本当に申し訳ない」と神妙な面持ちで話し、「リングに変な感情を持ち込んだり、リスペクトを欠いたことはしたくなかったので、全力で戦った」と語った。
米国合宿で新型コロナウィルスに感染
 体重超過の理由を聞かれた堤は、「言い訳になってしまうので、それを踏まえた上で聞いてもらえると幸いです」と前置きした上で、米国スパーリング合宿の帰国直前(3月下旬)に、新型コロナウィルスに感染し、帰国後は一切練習ができなかったことを明かした。さらに肺への後遺症もあり、食べ物を摂ることができず、自宅でロードバイクを漕ぐことしかできなかったという。

 医者からは欠場を勧められたが、昨年10月の試合を高熱のためキャンセルしており、「メインイベンターとして、中止するわけにはいかなかった」と試合を強行。風呂で汗をかいて体重を落としたが、規定体重を作ることができなった。
「失った信頼を取り戻していきたい」
 「フェザー級では減量に余裕がない。階級も上げることも含めてチームと話し合っていく」と話した。日本ボクシングコミッションによると、半年のライセンス停止処分が濃厚だという。

半年間のライセンス停止処分が濃厚

 堤は「人として成長して、失った信頼や夢を少しずつ取り戻していきたい。プロとして胸を張ってリングに上がれるように精進していきたい」と語って会見を締めた。
モレノは鼻を骨折の疑いあり
 一方のモレノは鼻を骨折した疑いがあり、「何も話したくない」と会見を拒否した。