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[ショートインタビュー]2024.4.8

台湾と日本ボクシングの架け橋になる

台湾で活動している大坪真実(38)
 4月13日(土)に刈谷市あいおいホールで開催される「株式会社サンコー Presents KNOCK OUT BOXING vol.6」第1試合、女子バンタム級4回戦に出場する大坪真実(38)は、台湾で活動しているボクサーだ。元々、名古屋大橋ジムで練習していた大坪だが、3年前に夫の転勤のため台湾に移住。昨年12月、現地でデビューした。

 4月3日(水)に台湾東部沖で地震が発生。大坪が住んでいる場所は震源地から遠いため、家族や知人は無事だったという。大坪は「今回の地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興を願います。希望大家平安(健康で無事でいられることを願っています)」と語った。
念願の日本のリング
 名古屋大橋ジムの練習生だった母に誘われる形で、「ほとんどスポーツ経験はなかったが」と入門。「凝り性なのでどうせやるなら、スパーリング大会に出て周りに『ボクシングをやっています』と言いたかったので」とフィットネスクラスではなく、ボクサー育成クラスを選択した。5ヶ月後に出場したスパーリング大会で負けて、「勝つまで続けたい」と練習を続けていたが、「何も強くなっていないな」と気が付いた。

 そのタイミングで、プロ選手を中心に指導している加藤功一トレーナーに指導を受けると、2回目のスパーリング大会で勝利。その後、「いつの間にか練習は週5回になり、プロ選手と同じメニューをこなしていた」。
加藤功一トレーナーとの出会いが大坪を変えた
 大坪は、ボクシングを始めたのが33才と遅く、「テストを受けて合格するくらいの力をつけた時は35歳になっていました」。プロテストを受験できる年齢制限(34才)。日本ボクシングコミッションのルール上、プロボクサーになることはできないが、練習を続けていた。「スパーリング大会では物足りなくなってきたし、かといってプロにもなれないし…」。その後、夫の台湾転勤が決まった。
台湾でデビュー
 台湾でも趣味でボクシングを続ける予定だったが、「やっぱりやるなら本気でやりたい」と台湾でプロボクサーになる決意を固めた。台湾では年齢制限はなく、試合を開催するプロモーターが実力を認めて出場を許可すれば、プロボクサーになれるという。「ただ、私の目標はプロボクサーになることだけではない。日本でプロのリングに上がりたい」。JBCが認可した団体、かつBOX RECに掲載されたら台湾が認めたプロボクサーとして認められると確認を持った。
日本で初勝利を目指す
 しかし、台湾では日本ほど興行数が少ないのとコロナ禍の影響で、なかなかプロのリングに上がれず苦労した。その間もアマチュアのリングにも上がり、経験を積んで昨年12月にプロデビュー戦に臨んだ。アマチュア学生チャンピオンと対戦して、判定負けを喫したが、ある程度の手応えも掴んだようだ。
「期待に応える」
 日本での試合が決まり、1ヶ月前から一時帰国して古巣の名古屋大橋ジムで汗を流している。「私にとって日本はホームなので、お客さんの期待に応えたい。日本のリングに上がるだけではなく、勝つために来た。日本でも台湾でも『こんな選手がいるんだ』とアピールしたい」と言葉に力を込めた。