[試合後談話]2024.3.31
銀次朗! 衝撃のワンパン決着!
IBFミニマム級タイトルマッチ

 IBF(国際ボクシング連盟)ミニマム級タイトル戦が31日、名古屋国際会議場で行われ、チャンピオンの重岡銀次朗(24=ワタナベ)が、同級6位のジェイク・アンパロ(26=比)と対戦した。

左ボディ!ワンパン決着!

 中間距離で始まった試合。互いに様子を見ていたが、2ラウンドに入り、スッと距離を詰めた銀次朗が、左ストレートをボディに打ち込むと、アンパロがダウン。そのまま立ち上がれず、テンカウントを聞いた。

アンパロは立てず!

 試合後のリングインタビューに応えた銀次朗は「みなさん、久しぶりの左ボディワンパン、いかがでしたか?」と、勝利の感触を喜びの声に変えた。

 瞬殺で試合を決めた後でも、世界王座を守ることの厳しさに触れた銀次朗。「今回の相手は、謎なところが多くて、1週間で体重を入れてきたり、強い選手に勝っていたりしていたので、見ていこうと思っていたが、左ボディワンパンで倒せたんだけど、相手はパンチあって、様子を見てよかった。これから先、あぶねえなと思った」と浮つくことはなかった。

重岡銀次朗(24=ワタナベ)完勝。
 メインイベントで戦った優大の試合の後に囲み取材に応じた銀次朗は、「ステップのタイミングで自然に出たボディ。狙ったわけではない」と勝負を決めた場面を振り返った。

 記者の質問を受ける間、銀次朗の表情は暗く、笑顔はなかった。重い空気の中、「プロボクシングは危ないと思った。俺も倒される可能性ある。たまたま今日は(倒されたのが)兄ちゃんだった。俺でもああなってたかもしれないし、もっと派手に倒されたかもしれない」と静かに語ると、「喜べないし、一緒に兄ちゃんと這い上がりたい」と続けた。WBC王座に輝いたメルビン・ジェルサエム(比)が、銀次朗との統一戦に興味を示していることを伝え聞くと、「統一とかも、もちろん、断ってらんない。俺も兄ちゃんも課題だらけ。修行し直さなきゃならない」と気を引き締め直した。
ジャッジペーパー

 試合後の取材でアンパロは「最初はとっても良かった。ボディが入らなかったら、いい試合になったと思う」と静かに試合を振り返った。

ジェイク・アンパロ(比)

 アンパロ本人は、短期間で急きょ試合に向けて、コンディションを仕上げたことに「影響はなかった」と答えたが、同席したトレーナーは「4kgの減量で、力が入らなかった」と悔しがった。

 ワンパンの左ボディは、みぞおちに入ったというアンパロ。「カウント7まで、痛みがなくならなかった」と明かした。

 記者の質問に「チャンスがあれば、もう一度やりたい」と、リベンジのチャンスを願ったアンパロ。トレーナーも「もっと準備の時間があれば、ぜひやりたい」とアンパロをフォローした。