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[試合後談話]2024.3.3

阿部麗也! ニューヨークで世界初挑戦!

阿部麗也(KG大和)が世界初挑戦!
 IBF(国際ボクシング連盟)フェザー級1位の阿部麗也(30=KG大和)が2日(日本時間3日)、米国ニューヨーク州ベローナ・ターニングリゾート&カジノで王者のルイス・アルベルト・ロペス(30=メキシコ)に挑戦した。

 国内の並みいる強豪を倒し、昨年4月には元世界王者を撃破し世界1位に上り詰めた阿部が、悲願のタイトル奪取に成功したのか?それとも叩き上げで勝ち抜いてきたロペスがV3に成功したのか?運命のゴングがベローナで鳴り響いた!
ロペス(メキシコ)がV3を達成
初回からプレスをかけて大振りしてくるロペスに対して、阿部はステップしながら、リングを大きく回る。2回、プレスを強めるロペスを迎え撃つ阿部。両者の左と左の相打ちでロペスの左フックが阿部を捉えると、右目下が一気に腫れ上がり、視界を塞いだ。インターバルでドクターチェックを受けた阿部。視界は確保されているものの不利な状況となった。これを見たロペスは、真っ直ぐゆっくり歩いて阿部にプレスをかけてフックを大振り。ロペスの左に阿部は右フックをコンパクトに合わせるが、下がる展開が続いた。試合が決まったのは8回。一気に出てきたロペスの左右のフックの連打をガードで凌いだ阿部だが、防戦一方と判断されて、レフェリーが試合を止めた。試合後、阿部は病院に直行した。
「後手に回ってしまった」
 世界初挑戦は悔しい結果となった阿部は「完敗ですね」と声を絞り出した。「序盤でガツンと左フックを浴びて目がふさがってしまった。途中から相手の動きが止まったが、相手の方が余裕があった。レフェリーストップにならないような戦いになってしまい、最後は一発狙いになってしまった」と唇を噛み締めた。

リズムが独特だった

 「出てくるパンチの角度が違う。スピードもパンチもあってリズムが独特だった。わかっていたが対峙してみてあらためてわかった」とロペスの強さを認めた。

 
最後まで勇敢に戦った
 片渕剛太会長は「出来ていた部分もあったが一発デカいのをもらったのが想定外」と2ラウンドに浴びた左フックを悔やんだ。

取材後は病院に直行

 今後について阿部は「この先のことはしっかり考えていきたい」と話すにとどめたが、「良い経験になった」と話した。日本から遠く離れたニューヨークで最後まで果敢に戦ったことは大きな経験になったはずだ。この後、阿部は右目眼窩底骨折の疑いがあるため、病院に直行した。その後、診断の結果、異常なしと判断が出て帰国の許可が出た。
「アベは勇敢だった」
 一方、3度目の防衛に成功したロペスだが右拳を痛めたようだ。ロペスは「彼は日本の魂を持った勇敢な戦士だ。目を怪我しても最後まで怯まずに挑んできた。彼をとてもリスペクトしている」と拳を交えた阿部を称えると、「2ラウンドに左フックで目を腫れさせたと思う。レフェリーがストップする可能性もあると思った」と冷静に試合を振り返った。

 今後のことを聞かれたロペスは「プロモーターが決めること。フェザー級の誰とでも戦う」と話す一方で、ス―パーフェザー級に転向する選択肢があることも明かした。

Sフェザー級転向も視野に

 最後に「日本の皆さんに感謝したい。本当の戦士との戦いを見せることができた」と日本のファンにメッセージして会見を締めた。
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