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[試合後談話]2024.2.24

中谷潤人! WBCバンタム級のベルトに挑戦!

中谷潤人(M・T)の左ストレート

 WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級タイトルマッチが24日、両国国技館で開催された「Prime Video Presents Live Boxing 7」のセミファイナルで行われた。世界3階級制覇の懸かった大一番、ファンの期待を背負って、中谷潤人(26=M・T)が青コーナーからリングイン。チャンピオンのアレハンドロ・サンティアゴ・バリオス(28=メキシコ)に挑んだ。

サンティアゴの左フックを警戒!

 中間距離から踏み込むタイミングを探った両者。ダウンが奪える左の打ち分けに定評のある中谷が最初に見せたのは、アッパー。前に出てくるサンティアゴに対して、中谷はバックステップで対応した。サンティアゴの右ストレートと左フックも光った。4回にはサンティアゴの右アッパーが中谷の顔面をかすめた。4回終了時の途中採点は、ジャッジ3者ともに36-40で中谷を支持した。

左ストレートが炸裂!

 5回には、右、左、右、左と4つ続けた中谷が、ペースを掴んだ。試合が決まったのは6回。中谷の左ストレートが炸裂、最初のダウンを奪った。立ち上がったサンティアゴだったが、一気に仕留めに行った中谷が、左ストレートから最後は右フックへと連打でまとめて、3階級制覇を果たした。

採点表
 WBCの緑のベルトを巻いた中谷は、「死ぬ思いで頑張ってきたので、サンティアゴ選手に感謝したい」と大歓声の中、チャンピオンへのリスペクトを伝えると、「WBCのバンタム級のベルトは、多くの日本人の選手が手にしてきたので、光栄に思うとともに、気が締まる」と、レジェンドの系譜を引き継いだ。
6回1分12秒TKO

 和かな雰囲気で始まった中谷の3階級制覇報告会見。「(サンティアゴは)タフな選手で、ガンガン攻めてくる予想をしていた。ルディの指示通り試合を進めて最後は倒せた」と勝利を報告。憧れてきた緑のベルトは感慨深く、ボクシングに出会えて良かった。3階級を獲ることは気にせず、勝つためにやってきた。ラスベガスに向けて、この試合がターニングポイント。今まで以上の練習を積んできた」と大きな目標にも言及した。

 ダウンシーンに関して「6ラウンドからテンポを上げ、リラックスして出せた左ストレートでダウンを奪い、最後は左でバランスを崩し、右で倒した。サンティアゴは、色々な大きい選手と試合をしてきたと思うが、僕みたいなタイプはいない。遠く感じてくれたと思う」と、完全勝利に笑顔を見せた。

WBC世界バンタム級新チャンピオン

 バンタム級で戦うことに関して、「いつもどおりのキレもあり、当たれば倒せる感覚だった。前回は映像で確認し、動けてないと思ったが、今回は良い結果。距離をコントロールし、テンポを変えるなど引き出しも増えたことで冷静に戦える。KO負けのない選手を倒せたのは、自信になる。自分もファンも上を見れるし、統一戦やPFP入りに向けてピークファイトをしたい」と語ると、「どの距離でも対応し、どう倒すのかを見てほしい。歴代のチャンピオンとは違う『中谷潤人』を見てほしい」と、3階級チャンピオンの貫禄さえも感じさせた。

サンティアゴ試合後会見

 試合後、落ち着いた様子で会見の席に着いたサンティアゴは「まずは、(中谷選手に)おめでとうと伝えたい。しっかり練習してきたので、言い訳はしたくない」と新チャンピオンの中谷を称えた。

 試合で対峙した中谷について、「距離を取る作戦が私を困惑させた。上体を揺らしながら中に入る予定だったが、中谷がそれ以上に長けていて作戦が崩れた。途中採点を聞いて、もっと攻めていって主導権を与えないようにしたかった」と振り返った。その上で、「ダウンを奪われた左ストレートは見えなかった。パンチの強さは普通だったが、コネクトが良かったのだろう。またハードな練習に戻って、世界チャンピオンを目指す」と王座奪還を誓った。