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[公開練習]2024.2.20

危険な男! アンカハス!

強い挑戦者がやってきた!
 WBA(世界ボクシング協会)バンタム級9位のジェルウィン・アンカハス(32=フィリピン)が20日、都内の帝拳ジムで報道陣に練習を公開した。

 アンカハスは、2月24日(土)、両国国技館で開催される「Prime Video Presents Live Boxing 第7弾」のメインイベントにおいて、王者の井上拓真(28=大橋)に挑戦する。

 公開練習を視察した大橋秀行会長は「穴がなく相当強い。リカルド・ロペスやローマン・ゴンサレスのような雰囲気を感じた」とレジェンドボクサーの名前を出して、警戒をさらに強めた。
「日本で試合ができてうれしい」
 練習前に会見に臨んだアンカハスは、「日本は寒いと聞いていたが、暖かくて過ごしやすい。減量もそれほど厳しくなく、自信を持ってリングに上がることはできる」と仕上がりの良さをアピール。かつて山中慎介氏や亀田興毅氏のスパーリングパートナーとして来日したことはあるが、日本で試合をするのは初めてだ。「10年待ってようやく日本で試合ができる。本当にうれしい」と、日本での試合に胸を高鳴らせた。

 アンカハスは、ラスベガスとフィリピンでスパーリングを敢行。フィリピンでは200ラウンドの実戦練習をし、そのうち井上を想定したスパーリングは、100ラウンドに及んだ。
「経験と適応力は自分の方が上」
 井上の印象を聞かれたアンカハスは「とてもインテリジェンスな選手。距離を取って戦うこともできるし、打ち合いもできる。そして、多彩なコンビネーションも持っている」と話すと、「経験と適応力は自分の方が上だ」と、IBF世界スーパーフライ級王座を9度防衛したプライドをのぞかせた。
「フィリピンにベルトを持って帰る」
 この試合に向けて並々ならぬ思いがある。「フィリピンは今、世界チャンピオンが不在。国のためにベルトを持って帰る。どうしても勝ちたい気持ちを相手にぶつける」と熱く語った。
コンパクトなパンチを打ち込んだ
 公開練習では、グローブをつけてのシャドーボクシング、ハンドミット、サンドバッグ、ダブルとシングルのパンチングボールを1ラウンドずつ披露。ジョベニ・ジェメネストレーナーとのハンドミット打ちでは軽く打っていたが、動きに無駄がなく、コンパクトなワンツーを叩き込んでいた。途中からギアを上げると、シャープなワンツー左アッパーを見せた。
「過去一番の強敵」大橋秀行会長
 練習を視察した井上真吾トレーナーは「ガードがしっかりとしていて、パンチがコンパクト」と、あらためてアンカハスの強さを再認識。しかし、「相手が強いのを想定して準備している。やるべきことは変わらない」と決してブレることはなかった。

 大橋会長は「軽く打っていても、肩のスナップが効いていてリズミカルだった。(アンカハスは)バンタム級に上げて減量苦から解放されて今が一番強い。拓真にとって過去一番の強敵」とさらに気を引き締めると、「拓真が勝てば大きく伸びる。ここが大きな山場」と井上の勝利に期待を寄せた。