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[前日計量]2023.12.9

日本バンタム級挑戦者決定戦

那須亮祐vs富施郁哉
 日本バンタム級挑戦者決定戦の前日計量が9日、大阪市内の関西JBC事務局で行われ、同級1位の那須亮(28=グリーンツダ)と同級2位の富施郁哉(25=ワタナベ)が会場に姿を現した。

 試合は、明日(10日)、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で開催される「CRASH BOXINGvol.30」のセミファイナルで行われる。
「サウスポー対策は万全」
 先に秤に乗った那須は、100gアンダーの53.4kgでクリア。「テクニックがあり、嫌なタイプのサウスポー。長く様子を見ていると、ペースを持っていかれる」と富施の印象を語り、「自分から仕掛けつつ、得意のカウンターを決めていきたい」と意気込んだ。サウスポーとの対戦は、現WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王者の中川健太(38=三迫)戦以来、4年半ぶりとなるが、アマチュア選手を中心にスパーリングを重ねて対策は万全だ。

 現在、5連勝中の那須は「次に負けたら終わりだと思いながら戦ってきた。これがラストチャンスのつもり。試合を楽しみながら戦いたい」と静かに闘志を燃やした。
「自分のスタイルを崩さずに勝つ」
 拳を交える富施は、リミットの53.5kgで秤を降りた。今年5月のバンタム級モンスタートーナメントで増田陸(26=帝拳)に敗れて以来の再起戦となる。「ランキング6位だったが、上位ランカーが辞退したため、自分にチャンスが回ってきた。しっかりと掴み取りたい」と話すと、「相手はジャブとストレートが上手いが、自分のスタイルを崩さず、流れで倒しにいきたい」と思いを込めた。

A・モロニーとメッセージのやり取り

 富施は、今年5月に米国ラスベガスで、元世界王者のアンドリュー・モロニー(32=豪)のスパーリングパートナーに抜擢されて腕を磨いた。中谷潤人(25=M・T)との王座決定戦で敗れたモロニーだが、9日にオーストラリアで再起戦に臨む。モロニーとSNSを通じて「お互いに勝とう」と勝利を誓い合った。
前田稔輝(グリーンツダ)はタイトル前哨戦
 メインイベントでは、日本フェザー級1位の前田稔輝(27=グリーンツダ)が、フェザー級8回戦でタイ国同級8位のアタノン・クンラウォン(タイ)と拳を交える。前田は100gアンダーの57.0kg、アタノンは1.1kgアンダーの56.0kgで計量を終えた。

 前田は当初、渡部大介(32=ワタナベ)との挑戦者決定戦を予定していたが、渡部が負傷したため辞退。挑戦権を獲得した前田は、2024年2月22日(木)に後楽園ホールで王者の松本圭佑(24=大橋)に挑戦することが決まっている。

 計量後に取材に応じた前田は「本音を言えば、挑戦は決定戦をしたかったが、こればっかりは仕方がない。試合を組んでもらえたので、自分に流れが来ていると思いながら戦う。やるべきことは変わらない」と意気込んだ。
左:真道ゴー(グリーンツダ)が準公式試合
 元WBC女子世界フライ級王者で、性別適合手術と戸籍変更を経て、男子プロボクサーとしての復帰を目指している真道ゴー(36=グリーンツダ)は、石橋克之(35=姫路木下)と準公式試合を行う。

 バンタム級3ラウンドで行われ、グローブは8オンスを予定。JBCのレフェリー、ジャッジが試合を裁き採点する。
「最高のパフォーマンスをするだけ」真道ゴー
 真道は100gアンダーの53.4kg、石橋は200gアンダーの53.3kgでクリアした。真道が前日計量に臨んだのは、2016年6月の藤岡奈穂子(T&H→引退)との世界戦以来、約7年半ぶりだ。「久しぶりに計量の雰囲気を感じて、『こんな感じだったなぁ』と。ボクシング人生で初めて自分より身長が高い相手と戦うが、やるべきことをしっかりとやる」と語った。

 「(女性から男性に変わって)いろいろな目があるし、見られたりもするが、そんな雑音はシャットアウトして、リングで最高のパフォーマンスをするだけ」と言葉に力を込めた。

 真道の対戦相手のオファーを受けた石橋は「最初は断ろうと思ったが、真道さんのことを調べたところ、子どもにリングに上がる姿を見せたいと。自分も息子がいて気持ちがわかるので、少しでも協力できるならと思って受けた」と心境を語った。

「全力で戦う」石橋克之

 「自分より技術があるので、挑戦する気落ちで戦う。やるからには全力でやる」と静かに闘志を燃やした。