高田勇仁と森且貴の壮絶な打ち合い!
日本ミニマム級チャンピオン高田勇仁(ライオンズ)が27日、後楽園ホールで開催された「Lemino BOXING フェニックスバトル107」のメインイベントで、挑戦者に森且貴(大橋)を迎えて2度目の防衛戦に臨んだ。
鋭いジャブの差し合いから始まった高田と森の2度目の対決。徐々にプレスを強める高田。それに対し、右アッパーを打ち込んだ森だったが、6回、高田が右アッパーを打ち込んでダウンを奪った。一方的な展開になるかと思われた後半戦、8回から一気に勝負に出た森の気迫が、会場に集まった1192人のファンにも伝わった。試合は高田の判定勝利で終わったが、大きな拍手が会場を包んだ。
試合後のリング上、マイクを向けられた高田は「森選手は、足を使ってスピードとコンビネーションの選手と思っていたら、タフで気持ちも強かった。もっともっとレベルアップして、盛り上がる試合をしたい」と王座防衛に安堵した。
控室に戻った高田は「ダウンを取ってから焦りすぎた。倒そうという気持ちが強すぎて、落ち着いていけば、倒せるのに力んじゃった。途中から森選手のタイミングが変わったので、対応が遅れた」と反省の弁が口をついた。それでも、世界に向けて自信もつけた様子で、今後のことはトレーナーや陣営と相談するとしつつも、「防衛しながら、世界戦も組まれたらいきたい」と目を輝かせた。
試合後に控室に戻った森は、「今回はポイントで負けたので、実感しています。足を使って、ポイント稼いでいれば、かつ後半五分で入れたら、後半勝負できた」と肩を落とした。
高田に関しては、前回と比較して「遠い距離も強くなっていた」と、ライバルの成長ぶりを讃えた。それでも、6回にダウンを奪われた森は、クリンチで決定打を回避。7回も下がらず前に出ると、8回と9回には、ジャブとフットワークでリズムを作り直して、上下左右に力強いパンチを打ち込んで、会場の空気を一変させた。森自身、5回途中採点でジャッジ3者が揃って、チャンピオンをほぼフルマークの3-0(49-46,50-45,50-45)で支持していたことに加え、6回にダウンを喫したことで「行くしかないと自分で判断して、最後は倒れてもいいと思っていきました」と振り返った。
悔しさを隠せない森だったが、「チャンスをもらったのに。一から作っていく。これを糧に頑張っていくしかない」と再起に向けた言葉を絞り出した。
囲み取材を受ける森の隣で話を聞いていた大橋秀行会長は「すごくいい試合だった。右アッパーで終わってたら、前と一緒だった」と、立ち上がって気迫を見せた森の成長ぶりを称え、「気持ちのいい試合だった。9.ラウンドと10ラウンドは、ファンも熱くなった。必ずチャンピオンになれる。全然負けても悔しくない」と最後まで諦めなかった森を労った。