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[試合後会見]2023.11.4

熱戦! 飯村樹輝弥vs村上勝也!

日本フライ級王座戦
 日本フライ級タイトルマッチ、王者の飯村樹輝弥(25=角海老宝石)対同級12位の村上勝也(29=名古屋大橋)の一戦が4日、後楽園ホールで開催された「第8回WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」のメインイベントとして行われた。

 前日計量で「圧倒的に勝つ」と宣言した飯村が有言実行したのか? それともタイトル初挑戦の村上が名古屋にベルトを持ち帰ったのかーー。
飯村樹輝弥(角海老宝石)が初防衛に成功!
 初回から右クロスを好打した飯村がペースを掌握。ジリジリと距離を詰める村上に対し、テンポの良い攻撃でポイントを加点した。5回、村上はショートアッパーで反撃に転じたが、飯村もワンツー連打で譲らず。前半終了時の公開採点は、49-46×1、50-45×2で飯村がリードした。6回以降も飯村はワンツー左ボディ、さらに手数をまとめて攻勢。終盤、村上は右アッパーから打ち合いに持ち込んだが、飯村も押し負けず豊富な手数で最後まで主導権を渡さなかった。飯村が判定勝ちで、王座防衛に成功した。

 結婚後、初めて勝利した飯村は「本当に強い味方。奥さんの力なくして、自分の力は出ない」とこの日、サブセコンドを務めた真成美夫人に感謝の気持ちを言葉にした。
「課題が見つかった」
 控室に戻ってきた飯村は「勝ちたい気持ちはお互い様。相手の気持ちも強くて打ち返してきた。倒せなかったが勝てて良かった」と初防衛に安堵の表情を浮かべると、「当てるタイミングや強弱、上下の打ち分けといった課題が見つかった」と、今後に向けてさらなる精進を誓った。

 今回からコンビを組んだ佐藤直樹トレーナーは「良い意味でも悪い意味でもリズムが同じだったので、テンポを変えると倒し切れたと思う。終盤に淡白な攻撃になったのが今後の課題。しかし、最後まで気を抜かずにできた」と及第点を与えた。
「次の試合に勝って真のチャンピオン」
 次戦は、チャンピオンカーニバルで、同級1位の小坂駿(28=SUN-RISE)対同級2位の井上夕雅(24=真正)の勝者を迎え撃つ。飯村は「次の試合に勝ってこそ真のチャンピオン。挑戦者の気迫に負けずに、チャンピオンとして、これからもコツコツと頑張っていきたい」と拳を握りしめた。
「また後楽園ホールに戻ってくる」
 一方、ベルトを奪うことができなかった村上は「予想以上に距離が遠くて、踏み込むことができなかった。6~7ラウンドから開き直って右を振ったが…。もっと攻め切りたかった」と唇を噛んだ。それでも「初めてのタイトルマッチは楽しかった。やっぱり後楽園ホールは雰囲気がありますね。また、戻ってきます」と復活を誓った。
矢吹正道(緑)
 試合を観戦した前WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道(31=緑)は「村上君がこんなに頑張るとは思わなかった。点差以上に良い試合だった。いつも以上に気持ちを出していたが、様子を見る時間が長かった。勝てるチャンスがあった」と、かつて同じジムで汗を流し、今もスパーリングで切磋琢磨している後輩を労った。