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[前日計量]2023.9.26

レジェンドの意志を引き継ぐのは誰だ!?

日本アトム級タイトルマッチ
 女子ボクサーだけが出場する「VICTORIVA vol.13」の前日計量が26日、都内の日本ボクシングコミッション本部事務局で行われ、日本アトム級王者の狩野ほのか(28=TEAM10COUNT)と挑戦者で同級1位の慶美奈代(31=SUN-RISE)が計量に臨んだ。

 昨日(25日)、女子ボクシング界を牽引してきた元女子世界5階級制覇王者の藤岡奈穂子(T&H)の引退式が行われ、関係者や観客がレジェンドの偉業を称えた。藤岡が作った道を目指すべく、女子ボクサーが高みを目指す。
狩野ほのか(TEAM10COUNT)46.0kg
 今年3月の王座決定戦で戴冠した狩野にとって、これが初防衛戦となる。毎試合、髪をカラーリングしている狩野だが、「トランクスの色と合わせて、今回は、あえてシンプルにしました」と、黒髪でリングに上がる。

変わったところを見せる

 今回がジム移籍初戦となる。「毎回、新しい発見があり、自分でも伸びしろを感じている。ボクシングが楽しい」と成長を実感しているようだ。同門のOPBF東洋太平洋アトム級王者の松田恵里(29)と汗を流す中で「アドバイスをもらったり、練習姿勢を見たりして勉強になることばかり」と刺激を受けている。

 「気負いはない。明日は変わったところを見せたい。圧勝します!」と力強く勝利を宣言した。
慶美奈代(RUN-RISE)45.9kg
 一方、約4年10ヶ月ぶりに王座に挑戦する慶は、「久しぶりのタイトル戦だと思っていましたけど、そんなに経つんですね」とリラックスしていた。この試合に向けて、IBF(国際ボクシング連盟)アトム級王者の岩川美花(40=姫路木下)とのスパーリングを重ねて、対策を講じてきた。

 大学卒業後、電車設計士としてボクシングとの両立を図っている慶。「残業があったりと練習時間を作るのが大変だったが、上手く調整した」。

全部出し切る

 「6ラウンドしかないので出し惜しみせず、最初から攻めていく」と、2度目の挑戦でのタイトル奪取を誓った。
日本女子バンタム級王座決定戦
 メインイベントでは、日本女子バンタム級王座決定戦、同級1位の山下奈々(25=RE:BOOT)対同級2位の柳井妃奈実(25=真正)の一戦が行われる。山下は、バンタム級リミットを400g下回る53.1kg、柳井は、200gアンダーの53.3kgでクリアした。
山下奈々(RE:BOOT)53.1kg
 6戦目でタイトル初挑戦を迎えた山下だが「思ったより落ち着いている」と自然体を強調した。大学生の時に総合格闘技のジムで受け付けのアルバイトをしていたところ、「トレーナーから『プロボクサーを目指さないか』と勧められて」と20歳でボクシングを始めた。

 「相手の方がパンチがあるので、警戒しながら練習してきたことをぶつける。プロ叩き上げがアマチュアエリートに勝つことろを見せたい。勝ってベルトの価値を高めていく」と言葉に力を込めた。

叩き上げの意地を見せる

 同門で、10月31日(火)に日本スーパーバンタム級王座に挑戦する石井渡士也(22)に勝利のバトンをつなげる。
柳井妃奈実(真正)53.3kg
 計量を終えて笑顔を見せたのは柳井。「やる気に満ち溢れている。明日は思い切り殴り合えるので楽しみ」と決戦を心待ちにしていた。

 ジムの先輩で、元WBA(世界ボクシング協会)スーパーバンタム級王者の久保隼氏から指導を受けるようになり、「技術はもちろんだが、落ち着いてできるようになった。バッチリと仕上がった」と手応えを感じている。

ここを勝ってスタートする

 アマチュア26戦20勝(7RSC)6敗の成績を残し、2021年12月にプロデビュー。しかし、ここまで4戦2勝(1KO)2敗と、決して満足はしていないはずだ。「ここを勝ってようやくスタート地点。KOでベルトを奪う」と意気込んだ。