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[試合後談話]2023.8.27

小畑武尊が大分で魅せた!

小畑武尊(ダッシュ東保)の再起戦
 元日本ウェルター級暫定王者の小畑武尊(25=ダッシュ東保)が27日、大分・中津体育センターで開催された「 THE J NAKATSU BOXING FIGHT」のメインイベントに出場。68.0kg契約8回戦で冨尾紘毅(36=冷研鶴崎)と対戦した。

 昨年10月の日本タイトルマッチ以来のリングに上がった、小畑のパフォーマンスに注目が集まった。
3回TKO勝ち
 初回から、サウスポー小畑がプレスをかけながら上下に打ち分け、ペースを掌握。2回には左ストレートを決めて、相手の右目下を腫れさせた。3回、必死にパンチを繰り出す冨尾に対し、左ボディストレートで動きを止めると、連打を浴びせてダウンを演出。レフェリーはノーカウントで、試合をストップした。
「地元で勝ててうれしい」
 試合後に取材に応じた小畑は「地元で試合する機会がなかなかないので、勝つ姿を見せることができてうれしい。大分県でボクシングをしているキッズボクサーに刺激を与えることができた」と、地元での勝利に頬を緩めたが、「クリンチ際にパンチをもらったので、そこは気を引き締めて戦うべきだった」と反省するのも忘れなかった。
「ボクシングで大分を盛り上げる」
 2020年12月に拳を交えた坂井祥紀(32=横浜光)が日本王者として君臨しているウェルター級。「あの試合は、パンチを避け切ることはできたが、攻撃につなげることができなかった」と当時を振り返り、「ボクシングで大分を盛り上げたい」と新たな目標ができたようだ。日本王座返り咲きを目指すべく、強さに磨きをかけていく。
6年1ヶ月ぶりに復帰したが…
 一方、悔しい敗戦となった冨尾は「パンチが強くて、こっちの攻撃が通用しなかった。2ラウンドの左をもらって二重に見えてしまった。元チャンピオンの強さを肌で感じた」と小畑の強さに脱帽した。

 この試合に向けて6年1ヶ月ぶりにカムバックした。完全にボクシングから離れていたわけではないが、「練習は週2~3回ペースで来ていた」と本格的な動きからは程遠かった。それでも完全に引退しなかったのには理由があった。
「あの時の思いを払しょくできた」
 「ジムの先輩が日本タイトルマッチを予定していたが、怪我で出られなくなり、代わりに自分がノンタイトル戦で出ないかと話があった。しかし、A級に上がったばかりで、いきなりチャンピオンとやるのは腰が引けてしまった。あの時、逃げた自分が許せなかった。ずっと心残りの中で今回のオファーがあったので、あの時の思いを払しょくしたかった」。

 冨尾は「小畑選手と戦えて良かった」と清々しい表情を見せた。