昨年大晦日の井岡一翔のドーピング検査に関して
JBC(日本ボクシングコミッション)が21日、昨年の大晦日に開催された井岡一翔(34=志成)とジョシュア・フランコ(27=米国)によるWBO・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦の試合後に、ドーピング検査のために採取された井岡の尿検体から、禁止物質のTHCの代謝物であるTHC-COOH(Carboxy-THC)が検出されていたことを公表した。ただし、世界ドーピング防止機構(WADA)が違反と認める濃度基準値には達していなかったため、「ドーピング禁止を定める日本ボクシングコミッションルール(以下、ルール)第97条には違反しなかったものと判断した」とも伝えた。
以下、全文
井岡一翔選手のドーピング検査の結果の件
2023年6月21日
一般財団法人日本ボクシングコミッション
理事長 萩原 実
井岡一翔選手(以下「井岡選手」といいます。)の2022年12月31日開催のジョシュア・フランコとの間の「ボクシングWBO・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦」(以下「本試合」といいます。)時に行ったドーピング検査の結果について、次のとおりお知らせいたします。
本試合終了後に採取した井岡選手の尿検体から禁止物質のTHCの代謝物であるTHC-COOH(Carboxy-THC)が検出されましたが、世界ドーピング防止機構(WADA)の基準によれば、尿中THC-COOH濃度の閾値は150 ng/mL、判定限界は180 ng/mLとされており、尿検体のTHC-COOH濃度がこれを超えるものではなかったことから、当法人としては、井岡選手は、本試合においてドーピング禁止を定める日本ボクシングコミッションルール(以下「ルール」といいます。)第97条には違反しなかったものと判断いたしました。
当法人は、ドーピング行為に反対し、公正なボクシングを推進しています。また、当法人は、青少年の健全な育成を支援しており、日本における大麻などの違法な薬物の使用は一切認めていません。井岡選手のルール第97条違反以外の当法人の各種規程の違反を理由とする処分の可能性については、当法人で検討中です。
以上
JBCの発表を受けて、井岡の所属先の志成ボクシングジムは、すぐさまプレスリリースにて、大麻などの禁止薬物の使用を否定した。
以下、全文
JBC のドーピング検査結果の発表について
当ジム所属の井岡一翔について、JBC が 2022年12月31日の試合のドーピング検査において、THC-COOH が検出されたと発表しました。
ご承知のとおり、井岡は、24 日(土)に、フランコ選手との再戦を予定しており、その 直前にこのような発表がなされることについては、当ジムとして、非常に困惑しているとともに、疑義を有さざるを得ません。
JBC の発表によりますと、JBC は井岡をドーピング防止について定める 97 条に違反しないと判断したとのことですので、当ジムとしても安堵しているところではありますが、それをこのタイミングで発表することの必要性があったのかについては疑問が残ります。な お、当ジムが JBC から 1 月 4 日の陽性との検査結果について通知されたのは、5 月 26 日に至ってのことであり、既に、フランコ選手との再戦は決定しておりました。
井岡については、2020 年 12 月 31 日の試合におけるドーピング検査においても一部禁止物質の陽性反応が出たとのことで、倫理委員会において審議され、結論として、井岡には問題がなかったと判断されたことは、皆様の記憶にも新しいことと存じます。
井岡は、2022 年 12 月 31 日の試合前において、THC-COOH 成分が検出されるような大麻等の禁止物質を摂取も使用もしておりません。2 年前に偽陽性とはいえ陽性と一度は判断されたこともあり、当ジムも井岡も、禁止物質の摂取については、常に注意を払っておりました。当ジムおよび井岡としては、今回も、井岡の潔白を証明していく所存です。
JBC、ボクシング関係者、そしてファンの皆様に対しては、井岡は、24 日のフランコ戦にて、しっかりとしたボクシングをすることでしか、応えることができませんので、フラ ンコ戦にご注目いただければと思います。
応援のほど、よろしくお願い申し上げます。
マネージャー 二宮雄介
2023年6月22日
志成ボクシングジム