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[試合後会見]2023.5.21

田中恒成が世界ランカーと激突!

田中恒成(畑中)が魅せた!
 元世界3階級制覇王者の田中恒成(27=畑中)が21日、名古屋パロマ瑞穂アリーナで、WBC(世界ボクシング評議会)スーパーフライ級13位のパブロ・カリージョ(34=コロンビア)と、52.6kg契約10回戦で拳を交えた。

 世界前哨戦と位置づけた一戦。前日計量で「パンチをもらわずに打ち倒す」と語った田中のパフォーマンスに注目が集まった。
有言実行!
 田中が世界再挑戦を大きくアピールした。初回からジャブで距離を測ると左ボディ、右ボディストレートを痛打。カリージョの返しのパンチをバックステップで回避。攻撃、ディフェンスとも差を見せた。中盤には、ショートアッパーを織り交ぜた攻撃で攻勢。しかし、カリージョは打たれながらも右フックを返し、意地を見せた。勝負が決まったのは、10回。激しいパンチの応酬の中、田中が右ストレートでグラつかせると、ダメージの深さを考慮したレフェリーが割って入った。
「内容は良かったと思う」
 顔に傷一つなく会見に臨んだ田中は「上手くいったところと、そうでないところ。思っていた通りの試合。今日は自分のボクシングをブレることなく出せたし、KOするのが難しい相手を仕留めることができた。内容は良かったと思う」と納得の表情を浮かべた。

中谷選手に負けていられない

 日本時間21日に米国ラスベガスで中谷潤人(25=M・T)がWBO世界スーパーフライ級王者に輝いた。「やはり力がある。自分も負けていられない」とスーパーフライ級のライバルを意識した。
世界4階級制覇に待ったなし!
 現在、WBO世界3位だが、この日、同級1位の中谷と2位のアンドリュー・モロニー(32=豪)による王座決定戦が行われたため田中はランキング1位に上がることが濃厚。指名戦で中谷と戦う可能性もある。さらにWBAは4位、WBC4位、IBF3位と、どの団体でもチャンスはありそうだ。

 試合後、「今回は、IBF王者(フェルナンド・マルチネス=アルゼンチン)を想定して、身長が低い相手(カリージョは154㎝、マルチネスは161㎝)と戦った」ことを明かした。

 世界4階級制覇に向けて、田中がどこに標準を合わせるのか? 今後も目が離せない。
畑中清詞会長
 畑中清詞会長は「カリージョは、よく頑張ったね。ここまで頑張るとは思わなかった。恒成は、大輔(写真:左/村田大輔トレーナー)と取り組んできたことを出せたのではないか。10ラウンドやって、いろいろなことを試せたのが良かった」と、田中のパフォーマンスに合格点を与えた。

 年内での世界戦に期待が高まるが「チャンピオンにも都合があるので、次にチャンスが来たら、世界戦」。「WBO王座への挑戦を想像するが、WBAになるのかIBFになるのか。今年中に挑戦できるところで。実際のところ、どこに挑戦するか絞っていない」と慎重に言葉を選んだ。
「ボディが効いた」
 一方、最後まで食い下がったカリージョは「(田中は)スピードがあって強かった。最後まで戦おうと頑張ったが、効いてしまった。日本で良い試合を見せることができたと思う。リングを降りた時に、自分にも拍手を送ってくれて、ファンの愛を感じた」と気丈に答えた。