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[一夜明け会見]2022.12.14

井上尚弥の伝説は続く

バンタム級4団体統一王者!
 バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(29=大橋)が14日、横浜市内の所属ジムで一夜明け会見に臨んだ。

 井上は、WBO(世界ボクシング機構)同級王者のポール・バトラー(33=英)に11回TKO勝ちし、日本ボクシング史上初、世界では9人目となる主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)統一チャンピオンに輝いた。さらに、史上初めてベルトを1本ずつ、すべて他団体のチャンピオンからKOで獲得した。
多くの報道陣が詰めかけた
 「昨日は、最高の夜だった。4本のベルトを見て、これまでやってきた重みを感じている」と、テーブルの前に並べられた世界主要4団体のチャンピオンベルトを前にしみじみと語ると、「バトラーの出方は予想通りだった。長引くことも想定していた中で、倒し切ることができて良かった」と納得の表情を浮かべた。
「ラスト2ラウンドでKOできると確信」
 ガードを固めて、常にディフェンシブだったバトラーに対し、ラフに攻めたりノーガードで誘い出したりと試行錯誤したが、乗ってこなかった。「自分が得意とするパンチを、一つひとつしっかりと防御する上手さはあった。映像で見ていた以上に、トレーニングを積んできているのを感じた」と話すと、「ガードの上からでも効いているのがわかったので、ダメージを蓄積させていった。11ラウンドが始まる前に、疲れているのがわかったので、ギアを上げてアクションを起こすことで『マジかよ?!』と思わせようとした」と、残り2ラウンドで仕留める自信があったようだ。
視聴数も目標数を達成
 大橋秀行会長は「ほとんどの人が判定決着だと思った中、最後は倒し切った。判定勝ちとKOでは、まったく違う印象になったと思う。視聴数は目標を達成し、dTVの加入者も過去最高だったと聞いている」と語った。「次戦は、まったくの未定」としながらも、4~5月を目途に考えていることを明かした。
「Sバンタム級でテストマッチはいらない」
 試合後、リング上でスーパーバンタム級転向を宣言した。「バンタム級は減量の影響もあったが、スーパーバンタム級に上げたら安定感が増すと思う。相手が大きかったり、スタイルによって戦い方を変えていくこともあるかもしれない。持っている引き出しの中でチョイスしていくだけ。スーパーバンタム級に上げたら、テストマッチはいらない」と一気に世界4階級制覇を目指す。
まだまだ新しい景色を見る!
 ボクシングでは初めて使用された有明アリーナで、15000人の観衆がモンスターの大偉業を見届けた。「スーパーフライ級時代、有明コロシアムで防衛戦をしたが、超満員にすることはできなかった。それから積み重ねてきて、これだけの会場を満員にできて、視聴者数のことを聞くと、やって来たことが正しかったんだと思う。昨日の超満員の中での景色を、これからも見続けていけるように頑張っていく」。

 来年の4月の誕生日で、30歳を迎える井上。公言している35歳で引退まで残り5年。これまで、見たことがない景色を見せてくれたが、まだまだすごい景色を見せてくれるはずだ。