中谷潤人の課題はパワー不足
フライ級のWBO世界王座を返上した中谷潤人(24=M・T)が1日、元世界王者のフランシスコ・ロドリゲスJr.(29=メキシコ)と、スーパーフライ級10回戦で対決した。
手数とパワーで前に出てくるロドリゲスに対して、距離を取りながらも、接近戦にも応じた中谷。大差判定勝利で、スーパーフライ級の初戦をクリアした。試合中には、互いにサウスポーの構えからスイッチしたり、激しくアッパーを打ち合ったり、いなしたり、とファンを魅了した世界トップレベルの攻防戦に、会場からも大きな拍手が送られた。
スーパーフライ級の初戦を、大差判定勝利で飾った中谷だが「良い選手で、リスペクトを持ってリングに上がった。ただ、相手のゴチャゴチャに巻き込まれてしまい、そこから試合を組み立てた。チームの作戦では、まずは様子を見るつもりだった。頭を左右に振る相手に付き合ってしまった」と反省の弁が口をついた。それでも、試合中も集中力は切れていなかったようで、「セコンドから『アッパーが入る』という指示の通り、アッパーが当たった。スタンスを広く取って、来たところに合わせる意識も強くした。今後は、もっと工夫出来るようにしたい」と、試合中のセコンドの声もしっかり耳に入っていたことを示した。
階級を上げたことで「フィジカル面で、つかまれた時にパワーを感じた」としつつも、「自分のパンチが当たって効かせたのもわかり、収穫はあった。もっとスーパーフライにアジャストしたい」と手応えも掴んだようだ。
複数階級制覇に向けて「世界戦の話がいつ来ても良いように整える。井岡チャンピオンともやりたいが、色んなチャンピオンがいる。どのチャンピオンにも勝てるようにする。どういう相手にでも対応できる自分の強みを活かして、どのチャンピオンとでもやれるように確立したい」と抱負を述べて、笑顔を見せた。
試合後に取材に応じたロドリゲスは「サウスポーで大きくて、やりにくかった。脚を使われて、逃げられた。いい選手だから、115lb(スーパーフライ級)でも十分戦える。カウンターは良かった。クリンチも上手く、危ないときはこなかった。自分に勝ったので、誇りに思ってください」と中谷を称えたが、「井岡とやるには早い。2年はかかる。経験と体力がない」と、パワー不足を指摘。『パンチで顔に傷がついたわけではない。効いたのは、9ラウンドのワンツーぐらいだった」と試合を振り返った。
距離が遠くて、やりにくい相手だった。
サウスポーに構えたことに関しては「リーチが長いと思ったから、サウスポーに構えた。実際に戦ってみて遠かった」と説明した。
フライ級で世界を目指す!
自身の今後に関しては、「112lb(フライ級)でもいけるので、落としてチャンスを待ちたい。スーパーフライ級は不利な階級。フライ級のチャンピオンのパンチはどんなものかわかった。これならいける」と階級を下げて、チャンスを待つと述べた。