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[試合後会見]2022.9.3

壮絶な打撃戦に大阪が揺れた!

大激戦!
 WBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦が3日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)にて開催された「駅近ドットコムpresents三田から世界へ19」のメインイベントで行われ、WBO(世界ボクシング機構)フライ級5位の加納陸(24=大成)と日本同級4位の井上夕雅(23=真正)が、空位の王座を争った。

 世界を見据える加納と、日本ユース王者からのステップアップを図る井上が、真っ向からぶつかり合った。ものすごい打ち合いだった!
加納陸(大成)がベルト獲得!
 序盤は、右ボディアッパーで体力を削っていく井上に対し、サウスポー加納は、上下に打ち分けて応戦。互角の打ち合いを見せた。中盤、ボディにパンチを集める井上に対し、加納は手数を増やして、ジャッジに攻勢をアピール。わずかに抜け出してきた。11回、井上はサイドに回り込んで、連打で攻勢をかけたが、加納は12回に豊富な手数でポイントを奪い、譲らなかった。接戦を制した加納が新王者に就いた。
「成長した姿を見せることができた」
 フライ級転向2戦目で、ベルトを巻いた加納は「強い選手に勝てて良かった。中盤、相手がピッチを上げてきたが、熱くならずに、冷静に戦うことができた。17歳からタイトルマッチをさせてもらった経験が活きた。まだまだだが、メンタル面は成長したと思う」と試合を振り返った。

 デビューからわずか6戦目で世界挑戦し、その後も濃密なキャリアを重ねている加納。この日は、打たれても表情に出さず、手数で押し返すなど、逞しさを感じさせた。
「周りに認められてから世界にいきたい」
 WBO世界フライ級5位で、世界に期待がかかるが「今は『いつまでに世界を獲る』ではなく、周りに認められてから世界に打って出たい。陣営と相談して、GOサインが出たら挑みたい」と語った。
初の12ラウンドを戦い切った
 一方、アジア王座初挑戦ながら、大健闘した井上は「ボディは嫌がっていると思ったが…。初めての12ラウンドの試合でしんどかったが、思っていたほどではなかった」と気丈に話した。

 コンビを組む井上孝志トレーナーによると、1ヶ月前に左手を骨折したが、本人の強い希望で試合に臨んだという。「よく12ラウンド戦い抜いた。初めて褒めたい。よくやったよ」と愛弟子を労った。敗れはしたが世界ランカーと真っ向勝負し、存在感を示した。この試合を糧に、さらに成長するに違いない。
採点表