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[試合後談話]2022.8.30

試合が決まったのは残り31秒!

死闘を制したのは!?
 WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級1位の木村吉光(26=志成)と同級4位の中川兼玄(27=角海老宝石)が30日、後楽園ホールにて開催された「LifeTimeBoxingFights.10」のメインイベントで、空位の王座を争った。

 お互いの意地がぶつかり合った一戦。前OPBF東洋太平洋王者の木村が戴冠したのか? それともタイトル初挑戦の中川が頂点を掴んだのか――。大激戦に会場は酔いしれた!
木村吉光(志成)が勝利!
 死闘を制した木村が新王者に輝いた。木村が連打から左フックで顔を弾けば、中川は右フックを耳裏に決めて応戦。木村は4回に左ボディを突き刺すと、5回に右フックでダウンを演出。一気に仕留めにかかるが、ここを踏ん張った中川は、右ストレートを返し執念を見せた。中盤も、木村は回転力を活かした連打で攻め立てると、9回に右フックで2度目のダウンを奪った。万事休すかと思われたが、中川がここから驚異の粘りを見せて、奮闘。判定決着かと思われた最終12回。残り1分を切ったところで、またも木村の右が炸裂。倒れた中川を見て、レフェリーはノーカウントで試合をストップした。最後まで死力を尽くした両者に、会場からは盛大な拍手が送られた。
新王者、木村吉光(志成)
 試合後、リング上でマイクを握った木村は「相手はリベンジに燃えているとわかっていたけど、気持ちの強さを感じた。祖父の誕生日だったので、良いプレゼントになったと思う」と語った。

 しかし、試合後に予定されていた記者会見は、ダメージが深く病院に直行したため、中止となった。
「まだ頑張ります」
 一方、最後まで食い下がるも、敗れた中川は「相手の方が強かった。一つ一つの正確さが相手の方が上だった」と肩を落とした。

 それでも、何度倒れても立ち上がってきた姿に、観客は心を打たれたはずだ。「ダウンしたが意識はあったので、このラウンドをしのいでパンチを出していけば、レフェリーに止めらないと思った」。

 「ベルトがほしかった…。まだ自分はチャンピオンには相応しくなかった」と話した中川だが、「倒されたけど、強い相手に12ラウンド戦うことができた。前は気持ちで負けたが、今回は負けなかった。石原さん(石原雄太トレーナー)とコンビを組んで、まだ半年。また頑張ります」と復活を誓った。
採点表