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[試合後会見]2022.7.24

野中悠樹のV3戦! まさかの…

左:能嶋宏弥(薬師寺)が攻め立てた
 WBOアジアパシフィック・ミドル級タイトルマッチが24日、大阪堺市産業振興センターで開催された「LA FIESTA DEL DIAMANTEvol.3×ミツキ杯SURVIVE.22」のメインイベントで行われ、王者の野中悠樹(44=渥美)と日本同級3位の能嶋宏弥(26=薬師寺)が拳を交えた。

 国内現役男子選手最年長王者の野中がベルトを守ったのか? それともタイトル初挑戦の能嶋が下克上を果たしたのかーー。試合後の両者のコメントを届ける。
能嶋宏弥(薬師寺)が王座奪取!
 能嶋が得意の右ストレートで、ベルトをもぎ取った。初回からジャブを飛ばして積極的に攻めると、ワンツーをヒット。サウスポー野中は左カウンターを返すが、能嶋は臆することなく攻め立てると、5回に右ストレートで腰を大きく沈めさせて攻勢。6回、右カウンターでダウンを奪うと、連打を浴びせてフィニッシュした。
「作戦が上手くハマった」
 番狂わせを起こした能嶋は「本当に嬉しい。信じられないです」と、満面の笑みを浮かべた。「ジャブを当てることを心掛けて、自分が得意とする直線的な動きで攻めようと思った。初回からジャブだけでなく、ストレートも当たった」と、手応えを感じていた。

 野中の試合映像を見て研究した能嶋だが、「薬師寺ジムの会員さんで、いつも研究してくれる方から『直線的な動きで攻めた方がいい』とアドバイスされ、それが上手くハマった」としてやったりの表情を見せた。
薬師寺保栄会長と喜んだ
 本来は、ウェルター級(66.6㎏)を主戦場とし、全日本新人王もウェルター級だったが、オファーが来たためミドル級(72.5㎏)でタイトル戦に挑んだ。試合前は、パワー差も覚悟していたが、「フィジカルの差は感じなかった」ようで、「ウェルター級の持ち味(スピード)を活かすことができた」と、会心の勝利に胸を張った。

 「野中さんと戦えたのも何かの縁。この階級でやっていきたい」と今後もミドル級で戦っていくが、「スーパーウェルター級やウェルター級でもできるので、チャンスがあれば」と試合によっては、適正階級に戻す考えもあるとした。"名古屋のシンデレラボーイ"の今後に注目だ!

今後もミドル級でやっていく

 薬師寺保栄会長は「相手を見てしまう癖があるが、今日はよく攻めていた。今後、まだまだ伸びていきますよ」と愛弟子の戴冠劇を喜んだ。22日に誕生日を迎えた薬師寺会長に、2日遅れの最高のプレゼントが届いた。

初防衛戦は11月20日に予定

 初防衛戦についてだが、ダイレクトリマッチの契約があり、11月20日(日)に愛知・刈谷あいおいホールで行う予定だと明かした。
「今後については考えたい」
 一方、3度目の防衛戦に失敗した野中は、開口一番「相手が強くて、自分が弱かった」。「見合っているところでパンチをもらってしまい、リズムが狂ってしまった。取り返そうと焦ってしまい、大振りになってしまった。倒して勝ちたいと思っていたが、(その気持ちが)悪い方向に出てしまった。パンチの反応が遅れて後手に回ってしまった」と無念の表情を見せた。

 現役国内最年長王者の44歳でリングに上がった野中だが、痛恨の一敗を喫した。今後について聞かれると「すぐに答えを出せないが…少し考えたい」と明言を避けた。
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