堤駿斗! ついにプロボクシングのリングに登場
鳴り物入りでプロ転向してきた堤駿斗(23=志成)が13日、OPBF東洋太平洋フェザー級5位のジョン・ジェミノ(30=比)とのフェザー級8回戦で、プロデビュー戦を迎えた。アマチュア実績のある選手でも、6回戦で行うB級デビューが通常だが、世界ユース選手権優勝、高校11冠、アマチュア13冠という華々しい戦績を残してきた堤には、特例でA級(8回戦)デビューが認められた。
プロデビュー戦の相手が、OPBFランキング5位とあって、瞬殺KO勝利とはならなかったが、初回から丁寧にジャブを突いて、ワンツーをヒットし、ガードもしっかりと固めて、リズム感の良いボクシングを最終8ラウンドまで続けた。途中、37戦戦ってきたフィリピンのベテランに、カウンターを合わされる場面もあったが、終始落ち着いた様子で試合を終えた。
試合後、リラックスした様子で会見場に姿を見せた堤は「相手が強くて、ポーカーフェイスで効かせても、何か狙っているのが目でわかり、(積極的には)行けなかった」と、プロ経験豊富な実力者との対戦を振り返った。その上で、「8ラウンドにアクシデントなどもある中でも、長くやれてよかったが、相手を見過ぎて、単調になった。試合前のテーマはインパクト、それを見せれらなかった。グローブが薄くて、拳を痛めてどうしようかと思ったが、それも経験になった」と、左フックをヒットした2ラウンド終了後に、コーナーに戻ってから痛みを感じたことを明かした。また、右も痛めたようで、「頭部を打って痛くなった。これがプロかと思った」と苦笑いした。
アマチュア実績も歴代トップクラスの堤は、プロのリングが気に入ったようで、「得意の前の手のジャブ、右のカウンターを決められた 。8オンスは、見えないパンチで倒れる。それを貰わないようにした。効いたパンチはないが、ガードの上からでも重かった。アマとプロの違いを感じた。コンビネーションをもっと当てたかった。試合中、アドレナリンが出て、楽しくなって笑うクセが出た。自分の距離で戦う意識、それは出来た。スタミナは、中盤に様子を見れて大丈夫だった。アマの早いテンポより、プロのテンポの方が自分に向いている。応援の声、攻めてない時の静けさなどの音の世界に身を置いて、プロになったなと思った」
世界を獲るためにプロに来た!
今後に関しては「年内にあと1試合、それまでに長いラウンドで倒す練習をする。まずは、国内、国外のタイトルを狙う。ちゃんと成長して、しっかり取る。今日の内容では、まだまだ世界とは言えないが、世界チャンピオンになるために、プロの世界に来た。必ず成長して世界を獲る。」と抱負を語って会見を終えた。