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[前日計量]2022.5.19

注目の一戦! 小國以載vs栗原慶太!

両者とも55.2㎏(100gアンダー)でクリア!
 元IBF(国際ボクシング連盟)スーパーバンタム級王者の小國以載(34=角海老宝石)とOPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太(29=一力)の両者が19日、都内の日本ボクシングコミッション本部事務局で前日計量に臨んだ。

 試合は、明日(20日)に後楽園ホールで開催される「A-SIGN BEE.31」のメインイベント、スーパーバンタム級10回戦で行われ、ネット配信プラットフォーム「ZAIKO」で第1試合からPPV有料配信(視聴料1480円)される。見逃し配信は5月23日(月)まで。

 計量を終えた両者は静かに闘志を燃やした。
3年ぶりのリング
 3年ぶりの復帰戦に臨む小國は「3年間試合をせずに、いきなりスーパーバンタム級での試合となったが、スムーズに落ちた」と、仕上がりの良さを強調。肌つやが良く調子の良さを感じさせた。

 昨年4月に元日本・OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の和氣慎吾(34=FLARE山上)との対戦が内定していたが、3月の練習中に右手甲の骨を脱臼しキャンセル。その後、手術をして「右手を打てるようになるまで半年かかった」という。

負傷していた右が完治。左も上達!

 それでも右が使えない期間は、左を徹底的に鍛えて、コンビを組む阿部弘幸トレーナーも「左が上手くなった」と絶賛。右手も完治して「右がしっかりと打てて、自分でもびっくりしている」と手応えを感じていた。それでも「右を思い切り打てることで、ポジションがどう変わってくるのか。良い流れになるのか、そうでないのかはやってみないとわからない」と答えはリング上で出すつもりだ。
「どう出てきても対応する」
 久しぶりのリングとなる小國だが「昔のような気持ちの高ぶりより、フラットな気持ち」と自然体を強調。阿部トレーナーは「怪我をしていた中でもしっかりと良い練習ができていた。栗原選手側から試合の話が来たのはラッキー。後は結果を出すだけ。どうきても対応できるように対策してきた」と攻略に自信を示した。

 栗原の印象を聞かれた小國は「パンチと気持ちが強い」と言うと、「絶対に良い人なんだろうなと。絶対に良いパパなんだろうなぁ」と話して報道陣の笑いを誘った。

勝てば世界ランキング復活!

 明日の試合を勝てば世界ランキング復活が濃厚だ。「世界ランキングを失って(ボクシングを続けるか)迷っていた中でチャンスが来た。厳しい試合になるのは承知のこと。足を使ったボクシングができるのが理想だが、そうさせてくれないのがチャンピオンの強さ。ただ、違う戦いでも勝てるように準備してきた」と意気込んだ。

 最後に「明日は勝ったら饒舌にいきますよ」と笑顔を見せて会見を締めた。
初のスーパーバンタム級戦
 一方、昨年10月に中嶋一輝(大橋)に3回TKO勝ちし王座返り咲きに成功した栗原だが、今回は1階級上げて元世界王者と対戦する。「階級が上の選手なので(小國選手のことは)意識したことがなかった。会長から(試合の話を)聞いて初めて意識した」と、最初は驚きを隠せなかったようだが、「対戦を受けてくれたことに感謝したい」と強敵との対戦に胸を躍らせた。
「流れの中で倒す」
 小國の印象を聞かれた栗原は「基本がしっかりとしていて相手の長所を消すのが上手い」と話すと、「3年ぶりの試合だが強敵なのは変わらない」と警戒心を強めた。

 今回の試合に向けてスーパーバンタム級以上の相手とのスパーリングで当たり負けしない耐久力を養い、万全の対策をしてきたようだ。栗原といえば、一撃必殺のKO勝ちが代名詞だが「(KOは)狙いにいかず流れの中でチャンスがあれば倒しにいく」と内容にはこだわらないとした。
左:高橋竜平(横浜光)55.3㎏<br>右:木村天汰郎(駿河男児)55.1㎏
 セミファイナルでは、スーパーバンタム級8回戦で日本同級10位の高橋竜平(32=横浜光)と同級14位の木村天汰郎(23=駿河男児)が行われる。高橋はスーパーバンタム級リミットの55.3㎏、木村は200gアンダーの55.1㎏でパスした。

 昨年10月以来の再起戦となる高橋は、勝ってタイトル挑戦をアピールしたい。対してここまで10戦8勝2分の木村は、ランキングを上げたいところだ。