大阪・堺市で新人ボクサーがハッスル!

　初回からスピードの差を見せた吉川がジャブを軸にワンツーを好打。村神に付け入る隙を与えず完勝した。

　3勝目を挙げた吉川だが当初は主戦場のミニマム級での試合だった。しかし、対戦相手が負傷したため村神に変更となり55.0㎏契約戦に臨んだ。

　減量なしでの試合だったが、「動き的には問題なかった。セコンドの指示がよく聞こえて冷静に戦うことができた」と、自らの出来に及第点を出した。「次も勝って日本タイトルを目指す」と目標を掲げた。

　第5試合54.5kg契約4回戦では、福濱統我(20=ディアマンテ)と藤本結磨(17=尼崎亀谷)が激突。サウスポー藤本の左ストレートを浴びた福濱だが、距離を詰めて闘志あふれるボクシングを展開。回転力を活かした攻撃で勝利を掴んだ。

　連勝した福濱は「相手はテクニックがあったが、パンチは効かなかったのでイケると思った。試合を盛り上げることができてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

天ぷら屋ボクサー! 福濱統我!

　香川県から就職のため大阪に出てきた福濱は、堺市にある天ぷら屋で住み込みしながら働いている。そこの店長に紹介されてディアマンテジムに入門した。「男として究極です!」と元世界王者の辰吉丈一郎に憧れている福濱は、「勝っても負けても盛り上がる試合をしたい」。今後の福濱に注目だ。

　スーパーフェザー級4回戦では前林良則(28=ディアマンテ)と黒川暁稀(26=北海道畠山)が拳を交えた。サウスポー黒川の打ち終わりを狙った前林は、右ストレートで3度のダウンを奪いTKO勝ちした。

　試合後に取材に応じた前林は「相手はファイターだと聞いていたので、動きをしっかり見て戦った。(ダウンを奪った右は)自然と出た」と落ち着いた表情で振り返った。

練習していた右ストレートで倒した

　大阪府出身の前林だが、正社員として東京で勤務していたが転勤のため9年ぶりに大阪に戻ってきた。それに伴い伴流ジムからディアマンテジムに移籍した。「まだ穴が多いので修正していきたい」とさらなる飛躍を誓った。

　この日、ディアマンテジムは3選手が出場し全勝した。

　第2試合、西日本新人王フェザー級4回戦では西条葵(33=升田)と田邉俊介(36=倉敷守安)が対戦した。サウスポー西条が初回から右フックを叩きつけてペースを握ると2回に左右をまとめてレフェリーストップに持ち込んだ。

升田ジム初勝利!

　昨年9月にジムを移籍し約7年9ヶ月ぶりにカムバックした西条は、復帰2戦目で勝利した。そして愛媛県にある升田ボクシングジムに初勝利を呼び込んだ。「左ストレートから右フックにつなげていくことができた。ジム初の勝利、そして4勝目でB級に上がることができて良かった」と声を弾ませた。

「勝ってホッとしている」升田貴久会長

　升田貴久会長は「メインの村神が負けたので喜び半分だが、勝ってくれてホッとしている。これをきっかけに他の選手も勝っていければ」と8戦目での念願のジム初勝利に胸を撫でおろした。