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[一夜明け会見]2021.12.15

井上尚弥! 2022年はビッグマッチへ!

王座防衛に成功した井上尚弥(大橋)
 WBA(世界ボクシング協会)スーパー、IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級統一王者の井上尚弥(28=大橋)が15日、横浜市内の所属ジムで一夜明け会見に臨んだ。

 井上は、14日に両国国技館でWBA同級10位、IBF同級6位のアラン・ディパエン(30=タイ)に8回TKO勝ちしWBA王座6度目、IBF王座4度目の防衛に成功した。

 約7000人の観客の前で圧巻のパフォーマンスを見せた井上は「お客さんは声を出して応援することはできなかったが、熱気を感じた」と約2年1ヶ月ぶりの凱旋防衛戦の感想を語った。
最後はしっかりと倒した!
 タフなディパエンを倒すまでにやや手を焼いた井上だが「リードパンチを意識したが、ダメージを与えることができて、手応えを感じている。相手も世界ランカーでディフェンスを徹底していたので(倒すのが)難しいところがあるが、その中で倒し切ったのは良かったと思う」と最後はしっかりと仕留めたことに及第点を与えた。

 それでも「相手のタフネスに面を食らった部分はあったが、今振り返ってみると、もっと視野を広げてやれることはあった。まだまだリング上で見せられる幅はある。伸びしろを感じた試合だった」と完勝にも課題を挙げるのを忘れなかった。
井上真吾トレーナーも相手のタフネスに驚いた
 井上真吾トレーナーは「ボディ攻撃もいろいろなパターンを見せた。相手は想像以上に打たれ強くてタフだった。あれだけ打たれても相手はパンチが活きていたので、最後まで油断しないように指示を出した。最後は力でねじ伏せるしかないと思った」とディパエンのタフネスぶりに舌を巻いた。
8回TKO勝ち
 日本のボクシング界では初の試みとなる「ひかりTV」と「Abema」でのPPVとなった。大橋秀行会長によると視聴数はまだわからないということだが「良かったと聞いている」。
バンタム級4団体統一を最優先していく
 次戦は来年の春に予定している。バンタム級での王座統一を目標に掲げる井上は、WBC(世界ボクシング評議会)同級王者ノニト・ドネア(39=米/比)との再戦、そしてWBO(世界ボクシング機構)王者のジョンリエル・カシメロ(31=比)との対戦を目指す。

 しかし、カシメロは試合前に体調不良により病院に緊急搬送されたのを理由に前日計量に姿を見せなかった。WBOは10日以内にカシメロに診断書の提出を求め、提出期限を過ぎた場合や診断書の内容によっては、王座を剥奪するとしていて王座の行方が注目されている。
「スーパーバンタム級は時期が来たら」
 他団体との王座統一戦がまとまらない場合は、スーパーバンタム級に上げることも視野に入れているという。

   日本時間11月28日(日)に米国ラスベガスで行われたWBO王者のステファン・フルトン(27=米)とWBC王者のブランドン・フィゲロア(24=米)によるスーパーバンタム級王座統一戦を見たという井上だが「相手を研究する意味ではまだ見ていない」と話すにとどめた。

 「ダメージもないので」とロードワークはすぐに始めるが年内は休養に充てて、年明け1月4日からジムワークを再開する予定だ。