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[試合後談話]2021.10.10

琉球戦士がハッスル!

左:福永輝(沖縄ワールドリング)の左!
 2020年西部日本フェザー級新人王の福永輝(22=沖縄ワールドリング)が10日、沖縄・石川多目的ドームで開催された「沖縄から世界へMUGEN挑.15」のセミファイナル60.0kg契約6回戦でドミニク謙心(21=リングサイド)と対戦した。

沖縄の気温30℃!

 この日の沖縄の気温は30℃。蒸し暑さが残る中、普段は闘牛場として使用される屋外ドーム型会場で、観客はうちわを仰ぎながら熱戦を見守った。
強打が爆発!
 沖縄が誇る剛腕パンチャー福永が入場すると、地元の観客から大きな拍手が送られた。力強いパンチを繰り出す福永だが、サークリングしながらジャブを飛ばすドミニクを捕まえることができず。2回、ドミニクは距離が詰まったところで左フックを決めるとレフェリーはダウンを宣告。福永にダメージは感じられず、ボディへのジャブから右フックで倒し返した。これでリズムに乗った福永は、左ボディで削っていくと右カウンターで2度目のダウンを演出。最後は右アッパーを突き上げレフェリーストップに持ち込んだ。
「スーパーバンタム級で上を目指す」
 試合後に取材に応じた福永は「久しぶりの沖縄での試合で本当に楽しかった」と約2年7ヶ月ぶりの凱旋試合に声を弾ませた。

 2ラウンドにダウンを喫したが「あれは相手が乗ってきただけで効いていない」と言うと、「それまで力んでいたがこれで冷静になることができた。ボディへのジャブで怯んだのがわかったのでワンツーを入れた」と会心のKO勝ちを振り返った。

 この日は「ほとんど減量はなかった」と60.0kg契約戦で臨んだ福永は「今後はスーパーバンタム級でユース王座か日本ランキングを目指していきたい」と抱負を語った。  
左:シーサー皆川(平仲)がデビュー戦
 第4試合75.0kg契約6回戦では、シーサー皆川(29=平仲)と甲斐斗志広(36=宮崎ワールド)が激突した。アマチュア87戦70勝(36RSC)17敗の成績を残しプロに転向したサウスポー皆川は、ボディワークで相手のパンチを回避するとジャブをヒット。果敢に前に出てくる甲斐に左ストレートを合わせた。5回に左オーバーハンドでガクッと腰を沈めさせチャンスを作ったが甲斐も最後まで粘りを見せた。
「沖縄のために役に立ちたい」
 新潟県出身で日本大学ボクシング部元主将の皆川は、大学卒業後はボクシングを引退し、企業に勤めながら東京でボクシングとは無縁の生活を送っていた。しかし、沖縄出身の妻と結婚し「仕事のため」約1年前に沖縄に移住してきた。  

 そこで「沖縄の役に立ちたい。自分ができることはボクシングしかない」と6年ぶりにリングに立つことを決意し平仲ジムに入門した。「沖縄のボクシングを盛り上げるため」と自らFMラジオでのボクシング番組を担当している。 

 皆川は「『沖縄から世界へ』を胸に"チーム沖縄"として活躍していきたい」と決意を口にした。   
右:長濱陸トレーナー
 コンビを組む元OPBF東洋太平洋ウェルター級王者の長濱陸トレーナーは「相手は経験豊富で手強いと思っていたが、パンチを効かせていたし、ディフェンス力も見せた。試合時に緊張に飲まれない姿を見せたのも収穫だった」と皆川の出来に合格点を与えた。

 今年1月に試合で王座を陥落した長濱氏は現役を引退。その後、6月に故郷の沖縄に戻った。その際、皆川のラジオ番組にゲストで呼ばれたのがきっかけで「平仲ジムのコーチの体調が悪いということで、自分は穴埋めで」とトレーナーに就任した。

 指導を始めた当初は「部活の延長線のような感じでやっていた」と選手の取り組みに物足りなさを感じていたようだが「ここ最近は表情が変わってきた」と成長を実感している。この日、平仲ジムの選手は3選手が出場し全勝だった。

 「これまで自分のことばかりでサポートする経験がなかったので良い経験を積ませてもらっている。これからも平仲ジムの選手を強くしていきたい」と目標を掲げた。知識と経験豊富な長濱トレーナーが加入した平仲ジムの今後の活躍に期待したい。