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[電話取材]2021.7.31

成田佑美「すべての面で上回り倒して勝つ」

OPBF王座戦に臨む成田佑美(姫路木下)
 日本女子ミニマム級王者の成田佑美(32=姫路木下)は、8月11日(水)にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育館・第2競技場)で開催される「REAL SPIRITS.75」のセミファイナルで日本女子アトム級6位の伊賀薫(28=真正)と空位のOPBF東洋太平洋女子ライトフライ級王座を争う。

 成田は、昨年1月に「3度目の正直」で日本タイトルを獲得すると、同年12月にモンブランみき(ワタナベ)に判定勝ちし初防衛に成功した。 
 電話取材に応じた成田は、2本目のベルト獲得に闘志を燃やした。
技に磨きをかける
 成田は「前回の防衛戦が終わってから、次のステップにいければと思っていたので(OPBF戦が)決まってうれしい」とタイトル挑戦を喜ぶと、「1階級上げての試合になるがチャンスが来たので」とライトフライ級でも問題はない。
 「結果を出せず、ベルトを獲るまでは応援してくれる人に申し訳ない思いだった。なので勝つことだけを考えていたが、結果を出したことで気持ちが楽になった。前戦は押し寄せるプレッシャーを感じることなく楽しく戦えた」と良い意味で肩の力が抜けているようだ。
 成田は、ジャブを軸にワンツーを主体としたスタイルに磨きをかけている。
「環境に感謝している」
 相手の印象を聞かれた成田は「後半になるにつれて好戦的になっていくファイタータイプ」と話した。これまで何度か真正ジムに出稽古に行ったことはあるが、伊賀とはスパーリングをしたことはないということだ。
 
 WBO(世界ボクシング機構)アトム級王者の岩川美花(37)が同じジムに移籍してきたため、岩川との実戦練習を重ねている。「(岩川さんは)パンチが当たっても次のラウンドですぐに修正して同じ技が通じない。頭を使って動くようになった」と世界王者の強さを肌で感じると「親身になって技術的なことを教えてくれるし、これ以上ない環境です」と、手応えを感じている。
「世界を意識するようになった」
 「以前は『私が世界なんて』と思っていたが、最近は世界の舞台に立ちたいと思うようになった。岩川さんと手を合わせる機会が増えて近くに世界チャンピオンがいるとのいうのもそうだし、応援してくれる人が少しずつ増えてきて思いを乗せてくれる」と、成田は世界を意識するようになった。

 さらに「江口さんが『自分も世界の舞台に立てなかったので、どうしてもこの子には世界の舞台に立たせてあげたい』と言っているのを人づてに聞いた。普段は真面目な話をしない人なのに熱い思いを聞いて胸に響いた。二人三脚でやっているので上を目指したい」と、OPBF王座を獲り勢いをつける。

 
2本目のベルトへ
 「以前よりプレッシャーを感じずに、ボクシングが楽しくなり自信がついた。でも、岩川さんという強い先輩が側にいるので慢心もせずに良いバランスを保てている。練習したことをすべて出したら勝てる。気負い過ぎずに戦い、すべての面で相手を上回る」と必勝を誓った。