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[試合後会見]2021.6.6

尼崎のメインは大逆転KO!

終盤にドラマが!
 日本ライトフライ級1位の芝力人(25=真正)が6日、兵庫県尼崎市のあましんアルカイックホールオクトで開催された「REAL SPIRITS.73」のメインイベント、フライ級8回戦に出場。元日本ランカーの渡邉秀行(36=DANGAN郡山)と拳を交えた。
 移籍初戦でメインイベンターに抜擢された芝がトップコンテンダーの力を示したのか?それともキャリア17年目の渡邉が下克上を果たしたのか。
 試合は、終盤にドラマチックな展開が待ち受けていた!
芝力人(真正)が逆転KO!
 勝利を呼び込んだのは芝の左フックだった。序盤は、サウスポー渡邉がワンツーを好打すると、左ボディアッパーも決めてペースを掌握。芝は動きが硬くロープを背負わされた。中盤になっても体格で上回る渡邉が、押し込みながら左ストレートを決めてポイントを加点。会場に番狂わせの雰囲気が漂ってきた。劣勢の芝だが、勝負を諦めることなく前に出ると、7回に渾身の左フックを直撃! 痛烈なダウンを奪いレフェリーストップ勝ちした。
得意の左フックで決めた
 控室で取材に応じた芝は「(渡邉選手は)ベテランの上手さがあり、やりずらかった。ポイントで負けていると思い焦っていた」と苦戦を認めた上で、「ダウンを奪った左フックは、トレーナーと練習していたパンチで自然と出た。手応えがあった」と逆転勝利に安堵の表情を浮かべた。
 芝は、試合前のスパーリングで肋軟骨を骨折し、十分な練習ができなかったことを明かした。
次戦は秋に予定
 2019年12月に矢吹正道(28=緑)との日本ライトフライ級挑戦者決定戦で敗れてから、家庭の事情などあり、ボクシングを離れた時期もあったが 「世界チャンピオンになる夢を諦めきれない」と地元の関西に戻り、真正ジムに移籍してこの日を迎えた。
 山下正人会長によると次戦は秋に予定しているという。芝は「次はしっかりと調整して試合に臨みます」と拳を握りしめた。
あと一歩のところだったが…
 一方、あと一歩のところで金星を逃した渡邉は「ポイントで勝っているとは思っていたが、自分の動きが悪くなってきたし、もしかすると(ポイントを)取られているかもと思い、攻めた」と7ラウンドの攻防を振り返ると、「情けないですね」と声を絞り出した。
 それでもトップコンテンダーを相手に存在感は十分示した。12月の誕生日でボクサー定年の37歳を迎える渡邉にとって残された時間はあと半年だ。渡邉は「あと半年ですね…。ゆっくり考えます」と今後については明言は避けた。
採点表