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[世界戦発表]2021.3.8

寺地拳四朗が久田哲也とV8戦!

2021年国内初の男子世界戦
 WBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級タイトルマッチの発表会見が8日、新大阪ワシントンホテルプラザで行われ、王者の寺地拳四朗(29=BMB)と挑戦者で同級1位の久田哲也(36=ハラダ)が記者会見に臨んだ。
 試合をプロモートする真正ジムは、試合を4月24日(土)にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第1競技場)で開催すると発表した。
 両者は2017年春に日本タイトル戦で対戦することが計画されていたが、世界王座挑戦が決まった寺地が日本王座を返上したために消滅した。それでもその間、久田は日本タイトルを獲得し王座防衛を重ね、WBAスーパー王者の京口紘人(27=ワタナベ)に挑戦するなど、実力をつけてきた。そしてようやく巡ってきたラストチャンス。約4年越しで実現する一戦に闘志を燃やした。
約1年4ヶ月ぶりのリング
 当初、この試合は昨年12月に行われる予定だったが、昨年7月に寺地が都内のマンションに侵入し他人の車を傷つける騒動を起こし、日本ボクシングコミッションより12月1日から3ヶ月のライセンス停止、制裁金300万円、48時間以上200時間以内の社会貢献活動を義務付ける処分を受けたため延期となっていた。
 会見に臨んだ寺地は「私が起こした事件で中止になってしまい、久田選手やジムの関係者や多くの人に迷惑をかけた。誠に申し訳ございません」と改めて関係者に謝罪すると「今回こうして、久田選手と試合を組んでもらったことに感謝している。しっかりと調整して絶対に勝つ」と決意を示した。
以前とは違う姿を見せる
 騒動発覚後は、地元の京都で小学生の通学の見守りなど社会奉仕活動を開始すると、1月下旬には東京に戻り、東京の応援者や所属事務所の協力の下、駅前のゴミ拾いや子どもたちへのボクシング指導、神社や寺の清掃や草むしり、介護施設での野菜収穫などボランティア活動を行った。
 寺地は「(社会奉仕活動を通して)たくさんの人にお世話になった。そして、あらためて世界王者らしい生き方をしないといけないと思った。恩返しの意味でも絶対に勝たないといけない試合」と自身の内面の成長を勝利につなげたいとした。「(久田選手は)パンチがあり、技術が高い選手だが、自分のボクシングを突き通すだけ。相手のパンチをもらわずに捌く」と必勝を誓った。
2度目の世界挑戦の久田哲也
 チャレンジャーの久田は、2019年10月にWBA(世界ボクシング協会)ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(27=ワタナベ)に挑んで以来の再起戦で、再び世界王座に挑戦する。久田は「試合を待たされた分、年齢は重ねたが、その分準備する時間が増えて勝つ確率がさらに上がった。当日は期待していてほしい。最高のボクシングを見せる」とベルト奪取を宣言した。
 久田が勝てば47戦目での世界王座獲得となり、平成以降では最も遅いキャリアでの日本人世界王者誕生となる。
右:原田剛志会長とベルトを獲る!
 昨年12月、先代の原田実雄会長が死去した。ハラダジム初の世界王者を目指す久田は「先代の会長に世界王者になる瞬間を見せれなかったのは悔いが残るが、今の会長(原田剛志会長)と二人三脚で世界のベルトを獲る。誰よりも折れない気持ちの強さや挑戦する勇気を見てもらいたい」と天国で見守っている先代会長に勝利の報告を約束した。