スパーリングでも魅せる!井上尚弥
現役と往年のレジェンドボクサー達がチャリティーボクシングイベント「LEGEND」で11日、3分3ラウンドのエキシビジョンマッチで拳を交えた。演出も豪華だった代々木競技場第一体育館。出場選手、報道陣を含む関係者とスタッフ、観客2548人全員がPCR検査で陰性を確認してから会場入りした。
メインイベントに登場した井上尚弥(大橋)と比嘉大吾(Ambition GYM)は互いに世界戦のリングで対戦することを意識していた。自分の距離だけではなく、相手の距離でも戦えることを証明したかったと明かしたモンスター。「比嘉選手からは気迫も感じましたし、見てるお客さんも楽しんで貰えたと思います。自分の距離でも比嘉選手の距離でも戦おうと思った。色んな戦いを見せれたらと思ってやりました。レベルの差は見せれたと思います。比嘉選手とは前にスパーリングをしてて印象は特に変わらないです。お互いの距離は縮まってはいない。自分も成長しているので。終了後リング上で比嘉選手に何で打ち合ってくれたんですか?と聞かれたので盛り上げるためだよと答えました。今日は余裕も見せれましたし。ロープを背負ってもいけるなと肌で感じました。今日に関しては見てくれているファンがどう感じるかだと思います」と世界的影響力を持つまでに成長し、ボクシング界のど真ん中に君臨する絶対王者のプライドを見せた。
「疲れました」と切り出した比嘉大吾は「尚也さんは距離を取るスタイルなのに自分に合わせて接近戦で打ち合ってくれた。試合だったらああいう風にはならないと思います。(井上尚弥世界前哨戦という位置付けとしては)見ての通り、今だったら厳しいと思います。ただ、いけないところではないと思った。今後は自分次第だと思います。試合になったらお互い仕上げてくるのでスパーよりかはもっといい試合になると思いますよ」と最後までいつかは本番のリングで拳を交えることを意識した。
この男がリングインすると今なお会場に緊張感が走るー。KOダイナマイト内山高志は「4年振りに集中してリングに上がったので楽しかった。適当に上がったら坂選手に失礼だと思うので仕上げてきた。あと1ヶ月あればもっと仕上げられた。体重は59キロ、スーパーフェザーまでは簡単に落ちます。今後はフェザー級に落として二階級制覇目指そうかな。(本気度は何パーセント?)ご想像にお任せします」とボクシングの楽しさを再確認して笑顔で久々の”試合後会見”を締めくくった。
20日前に王座防衛に成功したばかりの日本チャンピオン坂晃典(仲里)は「内山選手は間の取り方やタイミングが上手かった。見栄えの悪いパンチを貰ってしまった。ジャブを貰わないように意識していて、そこは遂行できたんですけどそこだけになってしまった感じです。自分の攻める勝気なボクシングが面白いと思って呼んで貰ったと思っているので3ラウンド目は出ました」と憧れのレジェンドとの対決を振り返った。
大橋ジムで後輩達の育成を始めた元世界3階級制覇チャンピオン八重樫東は「現役の世界チャンピオンでフレッシュだし強かった。特にアッパー系は倒れるだろうなってパンチでした。今日のスパーリングへの練習は、指導している桑原の試合があるので彼の調整も兼ねてスパーリングしてきました。自分の現役復帰はニーズもないし、ないです。今後は裏方に回ります」と記者会見を終えた。
元世界チャンピオンの木村翔(花形)は「思った以上に強かったです。距離が上手かった。パンチ当てられてないし。流石K-1王者。昔からサウスポーは苦手ですが、芯を食ったパンチは貰ってないと思います。判定だったら階級の差もあるけど自分が負けてた。武居選手は日本や東洋太平洋(タイトル)だったら普通に取れると思った」と元K-1チャンピオンとのスパーリングを振り返ると「今後はフライ級で世界を取りたい。ベルトを取ってから今後階級を変えるとかは考えたい」と抱負を語った。
元K-1チャンピオンの武居由樹(大橋)は「元世界王者とやれていい経験をさせて貰った。階級の差があるのにガンガン前に出てくるし凄かった。反省点はもっと木村選手の打ち合いに応じれればよかった。良かったところは分かりません。3分3ラウンドはK-1の時と同じで自分に有利だったのかなと思いました。(何度か当てた)左ボディアッパーはK-1の時からよく使っていたパンチです。まだまだ覚えなきゃいけないことは多い。今後はとりあえずベルトが欲しい。世界チャンピオンまではまだまだ遠いけど頑張りたい」と記者団の質問に丁寧に答えた。