プロとアマはどっちが強い?
プロとアマチュアを代表するトップ選手達が3分3ラウンドのリングで拳を交えた。代々木競技場第一体育館で11日、チャリティーボクシングイベント「LEGEND」が開催され3組のプロアマ対決が実現。本番さながらのエキシビジョンマッチに注目が集まった。
対戦が発表されるやいなやSNS上でも”筆戦”が繰り広げられた東京オリンピック日本代表の岡澤セオン(鹿児島県体育協会)と日本ユースチャンピオン佐々木尽(八王子中屋)の対決は力が入った。魅せるボクシングを意識した両雄。大袈裟なパフォーマンスでプレッシャーをかけて顔面を狙う佐々木にセオンは両手を後ろに回して挑発。技術とパワーが交差した。
会見場で佐々木は「オリンピック代表の岡澤選手とできて盛り上げることができました。ツイッターやSNSも使って盛り上げました。打たれても絶対に倒すって気持ちで前に出るのが自分のスタイルなので自分らしさが少しは出せたかなと思います。相手が手を上げてアピールしてきたので負けじとやりました。ムキになった訳ではなく楽しくてやった。ジャッジするとしたら勝者は岡澤選手」とコメントした。
プロ顔負けのパフォーマンスで場内を盛り上げた岡澤は「ヘッドギアを外したのはアマチュアを舐められたくなかったし、アマチュアは同じ土俵でやっても強いと見せたかった。フェアな状態でやりたかった。実際試合でもヘッドギア外してやってるので恐怖心はなかった。アマチュアのトップがプロにいったら世界チャンピオンになれるとは限らないけどプロがアマチュアにきたら絶対に負けない自信はあります。いつかプロの世界戦位の規模のアマチュアの世界大会を日本でやりたい。それが僕の夢です。今後はスポンサーを自分で見つけてプロのアマチュアボクサーとしてやっていく」と話して会見を終えた。
ノーガードでパンチをかわした平岡アンディ(大橋)と代役の秋山佑汰(自衛隊体育学校)。ハイレベルな技術戦が堪能できた。
平岡は「動きは硬かったけどレフリーの渡嘉敷さんが転んでくれてほぐれました。硬い中でもお客さんは楽しませられたと思う。試合ではなくエンターテインメントなので途中から切り替えて自分のスタイルではなく攻めていきました」とチャリティーエキシビジョンを振り返った。
イベント当日の朝、代役を頼まれた秋山は「急きょの代理で気が付いたら試合だった。平岡選手は頭が低くなったりよく動くのでアマチュアにはない動きで的が絞りづらくて当たらなかった。プロとアマでは全然違うと感じた。良い意味での緊張感があって、良いパフォーマンスが少しはできたかなと思う。良い経験になりました。成松さんの気持ちを乗せようと思って成松さんの入場曲で入場しました」と笑顔で会見を終えた。
WBOアジアパシフィック王者の井上岳志(ワールドスポーツ)は「スピードと見えない角度からのパンチが日本最高峰クラスの選手なんだと感じました。(森脇選手がフィジカルが凄かったと言っていた)自分はアメリカでの世界タイトル戦でもフィジカル面ではチャンピオンに引けを取らなかった。一番のアピールポイントです。こういった熱のこもった戦いをすることで日本を元気にできたらと思って戦った」と普段からスパーリングで手合わせをする高校・大学の後輩とのエキシビジョンマッチを終えて一息ついた。
東京オリンピック日本代表の森脇唯人 (自衛隊体育学校=75kg級日本代表)は「試合が一年間なかったので呼んで頂いて嬉しかったし、スポーツを通じて社会貢献できて良かったです。井上さんとは100ラウンド以上スパーリングしているんですけどフィジカルが強過ぎる。学ぶべきことは多いです。アマチュアだと距離を取って戦うというメニューなので、距離を潰されて戦うということがないので勉強になった。ヘッドギアを外したのはやっぱりアマチュアと思われたくなかったから。プロに対して失礼だしハンデをなくしてやりたかった。(今後も)オリンピックの表彰台に価値があると思っているのでアマチュアでやっていく。パリオリンピック、ロサンゼルスオリンピックでも金メダルを狙っていく」と、熱い思いを語った。