[表明電話取材]2021.2.3
元世界ランカーの今野裕介が引退
今野裕介(角海老宝石)
元WBA(世界ボクシング協会)アジア・スーパーライト級王者で元WBA世界同級14位の今野裕介(32=角海老宝石)が2月2日、自身のSNSで引退を表明した。
今野は、2019年3月に中国・上海でバイシャンボ・ナスイウラ(中国)が保持するWBAアジア王座に挑戦し11回TKO勝ちでタイトルを獲得。昨年11月にOPBF東洋太平洋同級王者の内藤律樹(29=E&Jカシアス)に挑戦したのがラストファイトとなった。
電話取材に応じた今野は、「左目が見えづらくなり、自分が楽しく、お客さんが楽しんでもらえる打ち合いができないと思った」と悩みに悩みぬいた上での決断だったことを明かした。
生涯戦績:21戦16勝(9KO)5敗
今野は、2019年3月に中国・上海でバイシャンボ・ナスイウラ(中国)が保持するWBAアジア王座に挑戦し11回TKO勝ちでタイトルを獲得。昨年11月にOPBF東洋太平洋同級王者の内藤律樹(29=E&Jカシアス)に挑戦したのがラストファイトとなった。
電話取材に応じた今野は、「左目が見えづらくなり、自分が楽しく、お客さんが楽しんでもらえる打ち合いができないと思った」と悩みに悩みぬいた上での決断だったことを明かした。
生涯戦績:21戦16勝(9KO)5敗
納得できるボクシングができないと思った
今野は「担当トレーナーに反射神経もパワーもスピードも落ちていないと言われたし、まだ強くなれる自信はあるが、目のことを気にしながら戦うのは違うと思った」と、語った。
麻生興一(三迫)戦
過去21戦のベストバウトを聞かれた今野は「麻生さんとの試合ですね」と即答した。2017年6月、当時の日本スーパーライト級王者の麻生興一(三迫)に挑戦。9ラウンドまでポイントでリードしていたが、最終10回に連打を浴びて逆転KO負けを喫した。
勝った試合ではなくて負けた試合を挙げたのが意外だったが「この試合で間違いないです」と、今野は言い切った。「それまでは部活感覚でボクシングをしていたが、後悔がない練習ができてリングですべてをぶつけることができた」とお互いの意地と意地がぶつかり合った名勝負を振り返った。
勝った試合ではなくて負けた試合を挙げたのが意外だったが「この試合で間違いないです」と、今野は言い切った。「それまでは部活感覚でボクシングをしていたが、後悔がない練習ができてリングですべてをぶつけることができた」とお互いの意地と意地がぶつかり合った名勝負を振り返った。
今後は飲食業の道へ進む
今後は「尊敬している先輩に誘われて」飲食店で働く予定だ。元々、飲食業に携わっていた今野は「飲食業はボクシングと同じで頑張った分だけ返ってくる。いずれは自分の店も出したい」と、将来の夢を語った。
佐藤直樹トレーナーのおかげで強くなれた
「勝ちと負けがハッキリしていて、わかりやすい。しんどいこともあったが、楽しかった。いいボクシング人生だった」と話すと、「ここまで来ることができたのはジムのおかげ。本当に感謝している。そして、佐藤トレーナー(佐藤直樹トレーナー)とコンビを組んでいなかったら、ここまで強くなれなかった。佐藤さんに『ボクシングとは、こうするんだよ』と教えてもらえた」と感謝の気持ちを言葉にした。
おつかれさまでした
これまで取材のタイミングが合わず、筆者がじっくりと今野と話をしたのは内藤戦が最初で最後だった。タイトルマッチに懸ける思いがヒシヒシと感じられ、実に熱い男だなと感じた。リングを降りれば、人当たりが良い好青年でジムの選手や関係者、誰からも好かれていつも今野の周りは笑いが絶えなかった。
伸びしろは十分で、今後の活躍を期待していただけにグローブを吊るすのは残念だが、体あってのボクシング。今野の決断を温かく見守りたい。彼なら次のステージでも必ず成功するだろう。少し気は早いが数年後、第二の人生で成功している今野に改めて取材したいと思う。
伸びしろは十分で、今後の活躍を期待していただけにグローブを吊るすのは残念だが、体あってのボクシング。今野の決断を温かく見守りたい。彼なら次のステージでも必ず成功するだろう。少し気は早いが数年後、第二の人生で成功している今野に改めて取材したいと思う。