坂晃典がベテラン渡邉卓也とV1戦

　坂がアグレッシブに攻め立てると、右クロスをヒット。後手に回った渡邉はジャブで鼻血を流させ反撃した。坂は偶然のバッティングで左目上をカット。しかし、積極的な攻撃でペースを握り続けた。前半終了時の公開採点は49-46×3で坂がリード。6回、坂は右ストレートでグラつかせるとパンチをまとめてダウンを奪いフィニッシュした。

　試合後に囲み取材に応じた坂は「コンディションが良かったので過信してしまった部分がある。ジャブをちょこちょこもらってしまい、右も一発浴びた。ジャブのもらい方が見栄えが悪かったと思う。内容が悪かったので最後は倒しにいった」と快勝にも浮かない顔だった。

　フェザー級王者時代に果たせなかった初防衛に成功した坂は「『初防衛してこそ真のチャンピオン』と言われていたから、本当の意味でのチャンピオンになれたと思う」とこの時ばかりは表情を崩した。
　「このご時世なので試合ができるだけで本当にありがたい」と関係者に感謝すると、「地元の大阪で防衛戦をしたことがないのでできればやりたい」と希望した。

　この試合を観戦したOPBF東洋太平洋同級王者の三代大訓(26=ワタナベ)は「これまで47戦してきてKO負けがない挑戦者を倒したのはすごいこと。坂選手は序盤は攻勢だったが、3回に盛り返された。そのまま渡邉選手のペースになるのかなと思ったが、もう一度ペースを奪い返してKOまで持っていった。相当攻撃力が高くないとできないこと」と電話口で語った。
※撮影時のみマスクを外していただきました。

　同じくこの試合を観戦した日本同級2位の中川兼玄(25=三迫)は「渡邉選手のジャブや接近戦の上手さ、坂選手のパンチの強さやテンポの速さ、積極性とお互いの良さが出た試合だと思いました。自分がもし、戦うとなったらどうするかと考えながら見ていましたが、しっかりと作戦を練って臨めば、良い試合になるのではと思いました。いつか試合ができる日を楽しみにしています」とコメントを寄せた。
※撮影時のみマスクを外していただきました。