ボクシングモバイルニュース
[前日計量]2020.12.19

いよいよ東日本新人王決勝戦!それぞれの想い。

スーパーフライ級

 東日本新人王決勝戦の前日計量が19日、都内で行われた。これに先だって昨日、試合2日前PCR検査が行われ全員陰性が確認された。これは、開発されたばかりの、1回で最大40名分の検査ができ、その場で30分で結果が出るという装置を導入して行われた。7月のボクシング興行再開以降、前日計量時に行われてきたPCR検査(※準備が整わない場合は抗原検査)は、明日新人王戦からは試合の2日前に行われるようになり、これに伴って、出場選手の「分離」と呼ばれる指定ホテルに滞在して、外部との接触を断つ感染予防対策は、試合前日からではなく、試合2日前からとなっている。 

 計量後にフライ級の苗村修悟(SRS)、宝珠山晃(三迫)とスーパーフライ級の富岡浩介(REBOOT. IBA)がZoom会見に応じ、富岡と対戦する久保春平(宮田)がボクモバの電話取材に答えた。

富岡浩介(REBOOT.IBA)51.6kg
 計量後に指定のホテルに戻った富岡浩介は笑顔で16時半からのオンライン会見に応じた。毎試合テーマを決めてリングに上がるという富岡は「メンタルからボコボコにする。メンタルを破壊する」とあっけらかんと話した。「負けることはないと思う。楽しんで圧倒して、色々見せて判定で勝ちたい」と抱負を語った。ちなみに、今夜はウナギを食べるとのこと。
久保春平(宮田)51.7kg.

◎久保春平(宮田)一問一答

■計量を終えた今の心境
久保:体重も調子もバッチリで早く戦いたいと思いました。

■富岡選手の印象を教えてください。
久保:若いけど雰囲気がある選手だなと思いました。

■8戦目で初のサウスポーとの対戦になりますがどのような対策を練ってきましたか?
久保:富岡選手は独特ですし、サウスポー対策というと頭でっかちになってしまうので、対策よりもサウスポー相手に慣れる事を重視しました。ジムの先輩・飛雄馬さんとスパーリングを数多くこなし、頭と体に染み込ませたので考えだけでなく身体が覚えた感じです。

※藤岡飛雄馬(宮田ジム、A級ボクサー)

■相手は今大会の注目選手ですが、それに対する思いを教えてください。
久保:前評判が高い選手ですから、試合自体が注目されますし、勝ったら自分が注目されますからね、ホント試合が楽しみです!! 僕は自分のボクシングをやり必ず勝ちます!!

■鹿児島県大島郡喜界町の人たちにどのような試合を見せたいですか。
久保:不細工でも泥くさくても必ず勝って島の方々にいい報告ができるように気を引き締めて頑張ります。

※鹿児島県喜界町:鹿児島県からフェリーで11時間の7000人弱の離島。

■試合への意気込みをお願いします。
久保:死に物狂いで勝ちにいきます。

坂本博之会長と苗村修悟
 坂本博之会長率いるSRSジムの苗村修悟(26)は、フライ級の上限50.8kgちょうどで計量を終えた。コロナ禍の通常となったオンライン取材に応じ、東日本新人王決勝を前に「ようやくきたな」と心境を明かした。「プロボクサーとして、みんなに認められる存在になりたい」という苗村がボクシングを始めたのは、坂本会長との出会いがきっかけ。苗村は、生まれてすぐから18歳までを児童養護施設で過ごした。ここに同じ境遇の坂本会長が訪問した際、ミット打ちを体験、「いいものを持ってる」と誘われた。「人生を諦めていたので、初めて人に褒められて嬉しかった」と当時を振り返った。坂本会長への憧れが苗村の心を動かした。優しくて、自信に満ち溢れていてカッコ良かった坂本会長のように「自分の頑張り次第で人生は思うように変えられる」と厳しいプロボクシングの世界に飛び込んだ。決勝の相手は長身のサウスポーだが、「距離を詰めて近い距離で戦いたい」と真っ向勝負を宣言した。
フライ級は苗村、宝珠山ともに50.8kg
 一方、その坂本会長と同じ福岡出身で、SRSジムにはスパーリングのため出稽古に行ったこともある宝珠山は、新人王にエントリーした際には「坂本会長からは、決勝で会おうと言ってもらった」と明日の試合を心待ちにしていた。ただ、コロナ禍の影響で、試合前々日から指定のホテルに滞在することが義務付けられているため、最後の体重調整に不安はあったと明かした。それでも、リミットの50.8kgで一発クリア。坂本会長の愛弟子、苗村との対決に「ハードパンチャーでハートの強い選手。ブルファイトをしてくると思う」と称えたが、「接近戦でも戦える準備をしてきた」と足とスピードを武器に強い気持ちで臨むことを誓った。リラックスムードのオンライン会見だったが、今月14日のスーパーフライ級OPBF・WBOアジアパシフィック・日本3冠戦、中川健太(三迫)と福永亮次(角海老宝石)の激戦を引き合いに「熱い試合がしたい」と切り出すと「以前は見返してやろうと思って戦っていたが、いまは、応援してくれる人たちのために、という気持ちになった」と心境の変化を口にした。ネガティブなモチベーションからの脱却に自らの成長を感じたのだろう。「今スポットライトが当たっている」と人生が懸かった大一番に臨む!
PCR検査は試合2日前に実施