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[試合後会見]2020.12.14

壮絶KO決着で3冠王者が決定!

2人の王者が激しく打ち合った
 日本&WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王座統一戦&OPBF東洋太平洋同級王座決定戦が14日、後楽園ホールで開催された「SLUGFEST.16」のメインイベントで行われ、日本王者の中川健太(35=三迫)とWBOアジアパシフィック王者の福永亮次(34=角海老宝石)が3本のベルトを懸けて争った。
 サウスポー同士による一戦は、期待通りの激戦を繰り広げ、会場を大いに盛り上げた。スーパーフライ級アジアナンバーワンを証明して世界へ突き進んだのは――。
福永亮次(角海老宝石)がKO勝ち
 死闘を制した福永が3冠王者に輝いた。序盤はジャブで距離を探り合ったが、プレスをかけた福永が左ストレートでペースを握ると、4回に右フックを決めてダウンを奪った。4ラウンド終了時の公開採点は福永がリード。逆転を狙う中川は、5回に前に出て左ボディ、左ストレートを痛打し反撃。8回、福永がワンツーから連打で仕留めにかかるが、中川も渾身の左を決めてお互いにフラフラの状態になった。8回終了時の公開採点も福永が優勢。壮絶な打撃戦となったが、10回に福永が左ストレートでグラつかせるとレフェリーが割って入った。
史上4人目の3冠チャンピオン
 3冠チャンピオンは藤本京太郎(角海老宝石→引退)、井上岳志(ワールドスポーツ)、吉野修一郎(三迫)に続いて4人目となった。3本のベルトを獲得した福永は「3冠王者になったこともうれしいが中川選手に勝てたことがうれしい」と笑顔を見せた。
ジャブもストレートもよく当たった
 「今日は、左ストレートがミット打ちでやっている時のようによく入った。対サウスポーは苦手だが今日は噛み合った。自分としてはパンチは効いていなかったが、周りが『効いている』という声があり、それを聞いて向こうが前に出て来てくれたので良かった」と冷静に試合を振り返った。
スーパーフライ級で頂点を目指す
 福永とコンビを組む田部井要トレーナーは「前の手(右)を上手く使いながら、警戒しつつ距離を詰める作戦だった。今回の試合に向けて、サウスポーの奥村健太トレーナーとマンツーマンで前の手の使い方を練習した」とチームの勝利を強調した。続けて「福永は本当に気持ちが強く、最後も心が折れることなく打ち合った。ボクサーとして誇りに思う」と福永の戴冠を喜んだ。

 今回の勝利で世界ランキング入りも濃厚だ。福永は「今日の内容では世界なんて…。井岡選手(井岡一翔)にも田中選手(田中恒成)にもやられてしまいますよ」と苦笑いを浮かべたが、「チャンスが来たらいつでもいける準備をしていく」と抱負を語った。
採点表