中谷正義!序盤に2度ダウン!
WBOインターコンチネンタル・ライト級10回戦が日本時間13日、米国ラスベガスで開催された。リングに上がったのは、1年5ヶ月ぶりに現役復帰戦を迎えた中谷正義(31=帝拳)とIBFランキング5位の実力者、フェリックス・ベルデホ(27=プエルトリコ)。テオフィモ・ロペス(23=米国)が主要4団体(WBA/WBC/IBF/WBO)の世界王座を統一した超注目階級の一戦にファンと関係者の目が注がれた。
試合が動いたのは初回。ベルデホの左フックと右ストレートへの対応が遅れた中谷が右ストレートをくらってダウン。それでも中谷は冷静だった。慌てずに立ち上がって、このラウンドはパンチを突いて追撃を逃れた。ただ、試合間隔が開いたことで試合感を取り戻すのにやや時間がかかった中谷は序盤にダウンを追加された。それでも、中盤に入ると左ボディと右ストレートに左アッパーを混ぜてベルデホを追った。激しく打ち合った7回の攻防でペースを掴んだ中谷。試合が決まったのは9回。鋭い踏み込みから突いた左ジャブでダウンを奪うと体力の消耗とダメージを隠せないベルデホは、立ち上がって試合を再開したが中谷の追撃にまたしてもダウン。中谷正義が大逆転勝利を掴んだ。
試合後のインタビューで中谷は「ロペスともう一度戦いたくて再起した」と4団体統一王者にアピールした。
検査のため試合後に病院へ向かった中谷だが、異常はなかった。序盤に2度ダウンを奪われたが「初回のダウンは確かに効きましたが、試合を続けられないほどではなかったです。4ラウンドの2度目のダウンの方がダメージ的には大きく、もらったらアカンやつをもらってしまった、という感じでした」と冷静に振り返った。
試合の中盤、相手にリードを許していた時の心境として「時々、良いパンチが入ると相手が弱った目をしていたので、強いパンチを出していけばチャンスはあると思いながら戦ってました。中盤(6ラウンドか7ラウンドに)に良い右を当てて相手がクリンチに来た時に、KO出来るかもしれないと感じました。(ラウンドが進むなか自身のダメージについては)このレベルまで来るとダメージが残っている、残ってないにかかわらず、良いパンチを食えばいつでも効いてしまうものだと思っているので、そこまで深刻に自分のダメージを感じることはありませんでした」とのこと。
逆転勝利の瞬間は、あまりにも突然だったのかもしれない。
「9ラウンドの最初のダウンはあまり手ごたえはありませんでしたが、パンチが効いてバランスを崩しているのは分かったので、ここで詰めなくてはいけない、という気持ちでした。2度目のダウンもワンツーが入ったとは思いますが手ごたえはあまりなかったです。実際でもそれほど嬉しがらなかったと思いますが、呆気ないというか、勝つ時ってもっと感動的なものだろうと思っていました(笑)」
「勝って嬉しい気持ちはありますが、世界のベルトではないこともあるのか、ベルトを手にした喜びよりも、この試合にたどりつくまで色々な方々に助けてもらったことを思い出し、自分に期待してくれていた方々に勝ったことで喜んでもらえることの方が大きいです。そういう意味で今はホッとしています。」
中谷正義の第二章は始まったばかりである。