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[京口紘人会見]2020.11.14

京口の世界戦延期開催の可能性あり

京口紘人(ワタナベ)リモート会見

 WBA世界ライトフライ級スーパーチャンピオンの京口紘人(ワタナベ)が14日、リモート会見を開いた。今月3日に予定していた京口3度目の防衛戦は、前日計量時に行われたPCR検査で、京口と担当トレーナーが陽性と診断されたため急きょ中止となり、京口は直ちに保健所が指定する隔離用ホテルに移動していた。幸いにも京口は無症状だったため10日間の隔離後、12日に同ホテルを退館して帰京した。会見の冒頭、ワタナベジムの渡辺均会長より、ファンとボクシング業界関係者ならびに支援者に対して、世界戦中止に関してお詫びの挨拶があった。「今後は新型コロナ対策をジムの最重要課題として取り組んで参ります」と真摯に語った。

 リモート画面が切り替わると、黒のスーツに神妙な表情を浮かべる京口が映し出された。一礼した京口は渡辺会長と同様にファンと関係者ならびにスポンサー、そして、対戦相手のタノンサック・シムシー(20=グリーンツダ/タイ)に対して深く謝罪した。

 保健所指定の隔離ホテルに滞在中は、毎朝8時に専用サイトに体温などを入力し、午前10時に電話で看護師の方に体調を報告。食事は1日3食で、朝8時、お昼12時、夜18時にお弁当が配給されたとのこと。

 隔離ホテルに移動してから最初の3日は、試合が中止になってしまったことで、気落ちしていたという京口は「色々なものが崩れ落ちた気持ち」と当時の心境を語った。それでも、滞在3日目の今月5日からは、少し気を取り直して、ホテルの室内で出来ることとして、毎日シャドーボクシングを12ラウンドと筋トレを続けてきた。ただ、症状が悪化する可能性がなかったわけではない。「不安はありました」と心理的なストレスが強かったことを明かした。

 今後に関して渡辺会長は、年内に延期して試合を開催する案と年内には行わない案の両面で考えていることを明かした。背景には、直近の1週間で全国的に新型コロナ感染者が急増していることが挙げられた。京口は挑戦者がタイから来日後に2週間隔離されながら、調整していたことにも触れ「世界挑戦のチャンスを与えてあげたい」とチャレンジャーを気遣った。12月31日までの滞在が認められているタノンサックだが、大使館を通じて申請すれば滞在ビザの延長は可能とのこと。最終的な決断は、今月18日に予定している日本プロボクシング協会理事会へのお詫びと報告、そして、試合中止以降は毎日連絡を取り合っているというJBC(日本ボクシングコミッション)からの感染経路に関する質問答えた後になる見込み。JBCへの回答は保健所による感染経路の調査報告などをベースに行うとした。

世界戦の延期日程は感染被害の状況次第
 ワタナベジム内は既に消毒済みで、今月16日(月)からは営業時間1時間短縮して再開する予定だが、運営時間の短縮がかえって3密を誘発する可能性もあるとして、最善策を模索しながらジム運営を続けるとした。

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