寺地拳四朗と勅使河原がスパーで魅せた!

　初回は勅使河原がジャブから左右のロングフックを繰り出せば、拳四朗は得意のステップワークを駆使しながら右を合わせる。勅使河原は師匠である輪島功一会長が現役時代に必殺技として使っていたカエルパンチ(相手の目の前でじゃがみ、伸び上がるのと同時にパンチ繰り出す)で会場を盛り上げた。2回、距離の探り合いから拳四朗がワンツーをヒットすれば、勅使河原はノーガードスタイルから左フックを返し応戦。勅使河原は辰吉丈一郎氏ばりに腕をぐるぐる回したが、ロープに引っ掛かり会場の笑いを誘った。拳四朗はロープに詰めて連打で押し込む場面を作るが、カウンター狙いで変則的に動く勅使河原を捕え切れず終了のゴングが鳴り響いた。

　スパーリング後にマイクを握った拳四朗は「久しぶりにお客さんの前でできて緊張感があり楽しかった。早く試合がしたい」と笑顔を見せて2020年初戦を待ち望むと、「試合がなかなか決まらないが、時間はかかっても必ず(日本記録)13回の世界王座防衛記録を更新しますので、応援よろしくお願いします」と高らかに宣言した。

　続けて勅使河原は「拳四朗選手は4階級下とは思えないほど強かった。さすが世界チャンピオン」とライトフライ級安定王者の強さに舌を巻くと、「輪島会長直伝のカエルパンチやよそ見をしてのパンチを出したが通用しなかった」と笑った。
　10月8日(木)に後楽園ホールで同級15位の河村真吾(30=ミツキ)を迎えてOPBF王座4度目の防衛戦に臨む勅使河原は「コロナで練習するのが難しい状況だったが、自分はその環境でも、今できる練習を誰よりもやってきたと思う。当日は強くなった姿を見せます。必ず倒して勝ちます!」とKO宣言した。