王座剥奪のべナビデスvsアングロ&WBA暫定王座決定戦
米国・コネチカット州アンキャッツビルのモヒガンサン・アリーナで15日(日本時間の16日)に挙行された、WBC(世界ボクシング評議会)スーパーミドル級変則タイトルマッチ。計量失格となった前王者デビッド・べナビデス(23=米)vsWBC同級15位ロアメル・アングロ(36=コロンビア)は、挑戦者の勝利時のみ王座獲得となる変則世界戦となった。
セミファイナルではWBA(世界ボクシング協会)ライト級暫定王座決定戦として、同級6位のジャクソン・マリネス(29=ドミニカ共和国)と、同級7位ローランド・ロメロ(24=米)が暫定王座を争った。
計量失敗の失態を犯し王座を剥奪されたべナビデスだったが、試合では初回からガードを固めてビシビシとジャブを放ちペースを早くも掴む。フックで対抗するアングロに対して、べナビデスはパンチをまとめて左フックでダウンを奪ったかに見えたが、ここはレフェリーがスリップの裁定。中盤もベナビデスはダメージングブローを随所で打ち込むと、アングロは次第に動きが鈍くなっていった。終盤の10回には集中砲火も浴びるなど苦しいアングロに対して、陣営が次のインターバル中に棄権を申し入れて試合終了。べナビデスが10回終了、棄権によるTKO勝利となった。
今回の体重オーバーは試合前に隔離されてからの調整失敗とみるのか、階級を上げるのか、今後の決断に注目が集まるべナビデスの戦績は23戦全勝(20KO)とした。2度目の世界挑戦も実らなかったアングロの戦績は28戦26勝(22KO)2敗となった。
ともに全勝同士でのWBA暫定王座決定戦となったマリネスvsロメロは、初回からパワーで攻めるロメロに、マリネスは距離を測る展開。中盤に入っていくとマリネスの出入りが冴えをみせ、KO率90%のロメロを空転させていった。ロメロは終盤の9回に左眉をカットするなど苦しい流れとなり、最後までパワーパンチをヒットさせることができず試合は終了。全体的にマリネスが試合の流れを掴んでいたかに見えたが、判定は3-0(116-112、118-110、115-113)でロメロが暫定ながら世界初載冠となった。
暫定王座を獲得したことで、ライト級世界戦線に参戦を目指すロメロの戦績は12戦全勝(10KO)。不運の判定とも言われるマリナスは初敗北で20戦19勝(7KO)1敗とした。