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[公開練習]2019.10.31

ノニト・ドネア「世代交代はさせない!」

優勝宣言したドネア
 WBA(世界ボクシング協会)バンタム級スーパー王者のノニト・ドネア(36=比/米)が31日、都内のジムで報道陣に練習を公開した。11月7日(木)にさいたまスーパーアリーナで開催されるWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)決勝戦でWBA、IBF(国際ボクシング連盟)同級王者の井上尚弥(26=大橋)と拳を交える5階級制覇のレジェンドボクサーは、「集中力が高まっていて今はワクワクしている気持ちが大きい。人生を通してやってきたことをリングで披露する」と意気込みを口にした。
   試合の模様は当日午後7時57分からフジテレビ系列で全国生中継される。
世界5階級制覇王者の風格。
 紳士と言われているドネアだが、噂通り背筋をピンと伸ばして真剣な眼差しで質問に答えている姿が印象的だった。大の親日家でもあるドネアは、毎年のように日本を訪れているが、試合を行うのは今回が初めて。ドネアは「出会う人みんな素晴らしい人たちで日本は大好きな国。日本で最強と言われている井上と戦えることでモチベーションが高い」と気持ちを高めていた。
最も重要な試合になる
 米国ラスベガスに自宅を構えるドネアは、時差調整のため10月18日から2週間フィリピン・マニラで最終調整を行い、昨日来日した。「気温の高いマニラでいろいろな相手とスパーリングをして追い込んできた。熱い場所でのトレーニングでメンタルを研ぎ澄ますことができた」と手応えを口にした。
井上は素晴らしい選手
 10歳年下の井上の印象を聞かれたドネアは、「自分のようにパワーとスピードを兼ね備えた、才能のある信じられないくらい素晴らしいファイター」と"モンスター"を絶賛。その上で、「これだけ経験を積んで身に着けたのは適応能力だ。20代のころと比べてスピードは変わらない。2人ともワンパンチで仕留めるパンチ力があるのでKO決着は大いにある」と語気を強めた。
角度を変えた左に要注意
 会見後にはシャドーボクシングを1ラウンドすると、1ラウンドのミット打ちを披露。バランスの良さと斜め下から突き上げるような左フック、左アッパーはこれまで何人もの強豪をキャンバスに沈めてきたキレの鋭さを見せた。
予想以上に身長が高いと大橋会長
 練習を偵察に来た井上真吾トレーナーは、「左はもちろんだが、右も重そうなパンチだった。表情も穏やかでコンディションも良さそう。お互いにモチベーションも高く、気持ちの良い試合ができると思う」と感想を口にした。
 同じく大橋秀行会長は、「腹をくくってきていて"侍"の雰囲気を感じた。やはり左フック、左アッパーが強烈。年齢を重ねるとパワーもスピードも落ちるが、経験を積みカウンターのタイミングの精度が上がってくるのでそこが怖い。顔つきも良くてコンディションも仕上げてきている。絶好調なのは間違いない」とドネアの仕上がりに警戒の色を強めると、「一番パンチに体重が乗る距離が同じなのでスリリングな戦いになる。判定はないのではないか」とKO決着を予想した。