[発表会見]2019.10.10
井岡一翔 今年も大晦日の顔に
井岡は大晦日に初防衛戦
WBO(世界ボクシング機構)スーパーフライ級王者の井岡一翔(30=Reason大貴)が10日、都内のTBSテレビ本社で次戦を発表した。今年6月に千葉・幕張メッセでアストン・パリクテ(比)を10回TKO勝ちで下し、日本人男子初の4階級制覇を達成した井岡は、大晦日12月31日(火)に東京・大田区総合体育館で同級1位ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)を迎え初防衛を行うことが決まった。試合はTBS系列で全国生中継される。
今月末から米国合宿を行う
大晦日のリングは、11年のWBA世界ライトフライ級王座決定戦から数えて今回で8度目。「一年の最後に試合をできるのは、ボクサー、格闘家として幸せなこと」と喜んだ井岡は、12戦11勝(5KO)1無効試合と無敗のサウスポー挑戦者を「やりたいことができるほど楽な相手じゃない。一難去ってまた一難」と表現した。続けて、今月末から12月下旬までのアメリカ合宿でサウスポー対策に取り組むと明かし、「結果次第では4階級制覇が薄れるかもしれない。勝つために一日一日を無駄にせず、しっかりと準備をしていきたい」と気を引き締めた。
江藤を破り挑戦権を得たシトロエン
シントロンはアマチュアで2大会連続五輪出場をはたし、17年にプロデビュー。今年8月に米国フロリダで江藤光喜(白井・具志堅スポーツ)と挑戦者決定戦を争い、序盤にダウンを奪うなど終始優位に進め、判定勝ちで井岡への挑戦権を掴んだ。その印象を井岡は、「まだ江藤戦の映像しか見ていないが、足を止めずによく動く選手。アマ出身なだけに技術も高い」と評価し、その上で「久しぶりのサウスポーだが、苦手意識はない。距離が遠いのでこちらが追う展開になると思うが、世界戦の厳しさを教えたい。スーパーフライ級に上げて4戦目。試合をするごとに良くなっている」と自信を示した。
家族の支えはありがたい
私生活では今年6月に一般女性と再婚し、8月に第1子となる男児が誕生した。米国ラスベガスの合宿には家族が同行し、これから厳しい練習を重ねる井岡を支える。「家族と一緒にいられることがコンディション作りにも良い影響を与える」と話した井岡は、最後に子供の名前を尋ねられ、「それを言うと何だか子供の発表会見みたいになってしまう」と笑ったが、「勝ったら流れで大晦日のリングに上げるかもしれない。自分の子供がこんなに可愛いとは思わなかった」と頬を緩ませ会見を終えた。
人ひとり育てる責任を感じる
一家の大黒柱としての責任を背にさらなる成長を図る井岡が、令和元年を締めくくるリングでどんなパフォーマンスを見せるのか楽しみにしたい。