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[ニュース]2019.10.8

荒川仁人が15年の現役生活にピリオド

童顔のスナイパー荒川が引退
 左の技巧派としてライト級で日本・アジア3冠を制し、近年の海外進出の草分け的な存在として活躍した荒川仁人(37=ワタナベ)が9月30日付けで現役を引退した。
 荒川は04年に八王子中屋ジムからデビューし、10年4月に近藤明広(日東→一力)を判定で破り日本王座を獲得。3度防衛後の翌年10月に空位のOPBF東洋太平洋王座にも就くと、12年11月から14年3月に掛けてメキシコ、米国でWBC世界ライト級挑戦者決定戦に2度、同暫定王座決定戦にも挑んだが、いずれも判定負けで世界王座には届かなかった。
米テキサスでの暫定王座決定戦
 しかし、世界トップとの激闘は現地で高く評価され、特にオマール・フィゲロア(米)との暫定王座戦は現地メディアが荒川の「ファイティング・スピリット」を絶賛し、米国年間最高試合の最終選考に残り、荒川が序盤の劣勢から圧倒的な手数で盛り返した第3ラウンドは年間最高ラウンド候補にも上がった。
ボクシングに感謝
 その後、新たな環境をもとめ15年にワタナベジムに移籍した荒川は、翌年4月に日本王座に返り咲くと、17年1月に日本で前年に認可されたばかりのWBOアジアパシフィック同級王座決定戦を行い、判定勝ちで王座獲得に成功した。今年に入り同王座を返上し、4月にウクライナでWBOインターナショナル王座に挑んだが、大差判定で敗退。これが最後の試合となった。生涯戦績は41戦32勝(18KO)7敗2分。
 15年の現役生活に終止符を打った荒川は、「ボクモバユーザーの皆さま、ワタナベジムの荒川仁人です。ウクライナでの敗戦後、モチベーションを作れず今日に至り、さすがに続けるわけにはいかないと引退を決断しました。プロ生活15年以上に渡り活動してきましたが、元々、自信のなかった自分を変えてくれたボクシングに本当に感謝しています。今後はまだ形にはなっていませんが、ボクシングに関わる仕事をしていきたいと思っています。自分と関わっていただいたすべての人にお礼申し上げます。ありがとうございました」とコメントを寄せた。
 その人柄で多くの人に愛された荒川。第二の人生に幸多きことを祈りたい。