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[海外ファイト]2019.9.5

9月後半の海外注目ファイト

■9月21日 ベイカースフィールド(米国カリフォルニア州)
Sミドル級10回戦
ピーター・クィリン(米)VSアルフレド・アングロ(メキシコ)

■9月27日 ロンドン(英)
英連邦ヘビー級王座決定戦
ダニエル・ドゥボア(英)VSエベネザール・テッテー(ガーナ)

■9月28日 ロサンゼルス(米国カリフォルニア州)
IBF、WBC世界ウェルター級王座統一戦
エロール・スペンス(米)VSショーン・ポーター(米)

WBC世界Sミドル級タイトルマッチ
アンソニー・ディレル(米)VSデビッド・ベネビデス(米)

WBA世界Sフェザー級王座決定戦
マリオ・バリオス(米)VSバティル・アフメドフ(ウズベキスタン)

ウェルター級10回戦
ホセシト・ロペス(米)VSジョン・モリナ(米)

ウェルター級10回戦
ロバート・ゲレロ(米)VSジェリー・トーマス(米)

※選手の負傷などにより試合が中止、あるいはカードが変更になる可能性あり
※日時は現地時間
スペンス対ポーター ウェルター級王座統一戦
[ボクモバ9月後半推薦カード]

■9月28日 ロサンゼルス(米国カリフォルニア州)
IBF、WBC世界ウェルター級王座統一戦
エロール・スペンス(米)VSショーン・ポーター(米)
 9月の最注目カードといえば28日に米国カリフォルニア州ロサンゼルスのステープルズ・センターで行われる世界ウェルター級王座統一戦であろう。IBF王者のエロール・スペンス(29=米国 25戦全勝21KO)と、WBC王者のショーン・ポーター(31=米国 33戦30勝17KO2敗1分)が最強の座をかけて拳を交える。破竹の快進撃を続けるスペンス有利の声が多く、オッズは4対1から5対1と開き、試合1ヵ月前の時点では6対1の大差がついている。
25戦全勝21KOのスペンス
 12年ロンドン五輪ウェルター級8強のスペンスは身長177センチ、リーチ183センチと体格にも恵まれたサウスポーの強打者で、17年5月に相手国でケル・ブルック(英国)を11回KOで屠って戴冠を果たした。以後、元王者のレイモント・ピーターソン(米国)を7回終了TKO、22戦全勝だったカルロス・オカンポ(メキシコ)を1回KO、今年3月には4階級制覇王者のマイキー・ガルシア(米国)に付け入るスキを与えずに12回判定で一蹴している。
 WBC王者のポーターは13年から14年にかけてIBF王座に君臨したが、ブルックに敗れてベルトを失った。つまりスペンスの2代前のIBF王者ということになる。現在の王座は昨年9月、ダニー・ガルシア(米国)に競り勝って手に入れた。今年3月の初防衛戦では技巧派のヨルデニス・ウガス(キューバ)に大苦戦したが、なんとか2対1の判定勝ちをものにしている。ポーターは突貫型のファイターで、気の強さやスタミナに定評がある。
ポーターはどこまで耐えられるか
  オッズが示しているようにスペンス有利は動かない。ポーターは強引に距離を潰して乱戦に持ち込みたいが、スペンスはカウンターもとれるだけにWBC王者が容易に接近できるとは思えない。飛び込んでくるポーターに対し、スペンスが正確な左ストレートや右フック、腕を折り畳んだコンパクトなアッパー系のブローで迎え撃つ姿が目に浮かぶ。ガッチリ体型のポーターがどこまで耐えられるか、という試合になるかもしれない。
 ウェルター級にはスペンスとポーターのほかWBA王座にマニー・パッキャオ(比国)、WBO王座にはテレンス・クロフォード(米国)が君臨している。トップランク社と契約しているクロフォードはスペンス対ポーターの勝者との即対戦は難しいが、パッキャオは同じPBC(プレミアム・ボクシング・チャンピオンズ)傘下ということもあり3団体王座の統一戦は十分に考えられる状況といえる。今後のウェルター級戦線を占う意味でもスペンス対ポーターは興味深いカードだ。
34歳のベテラン王者
■9月28日 ロサンゼルス(米国カリフォルニア州)
WBC世界Sミドル級タイトルマッチ
アンソニー・ディレル(米)VSデビッド・ベネビデス(米)
 スペンス対ポーターのセミ格で組まれているWBC世界Sミドル級タイトルマッチ、王者アンソニー・ディレル(34=米国 35戦33勝24KO1敗1分)対前王者で現“休養王者”デビッド・ベナビデス(22=米国 21戦全勝18KO)にも注目したい。
 もともと、この王座はベナビデスが保持していたが、昨年9月にドーピング違反が発覚したため“休養王者”に格下げされたうえWBCから出場停止処分を受けた。処分が解けたあと今年3月には元世界ランカーのジェイレオン・ラブ(米国)を2回KOで下して戦線復帰を果たしている。
対するは22歳の昇竜
 ベネビデスが活動休止中にWBC王座を獲得したのがディレルだ。今年2月、アブニ・イリディリム(トルコ)との決定戦で10回負傷判定勝ちを収め、約4年ぶりに王座を取り戻した。これが初防衛戦となる。
 ディレルの経験やパンチ力を軽視することは危険だが、近年は試合数が少ないうえ内容もパッとしないものが多い。ピークを過ぎたとみることもできよう。これに対し22歳のベネビデスは躊躇することなく攻撃を仕掛けて出る好戦派で、怖いもの知らずともいえる。ベナビデスの若さと勢いがディレルの経験を凌駕しそうだ。