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[試合後会見]2019.7.9

王座に返り咲いたのは?

左:細川 右:太尊
 OPBF東洋太平洋ミドル級王座決定戦が9日に後楽園ホールで開催された「ゴールデンチャイルド」のメインイベントで行われ、前王者で同級3位の細川チャーリー忍(34=金子)と元王者で同級9位の太尊康輝(26=角海老宝石)が激しいペース争いを繰り広げた。
ベルトは空位のまま
 ボディへ右ストレートを伸ばす細川に対し、サウスポー太尊は前の手で距離を測りながら左ストレートを迎え撃つ展開。接近戦を仕掛ける細川だが、太尊の懐の深さに苦労した。4回、細川は強引に距離を詰めてボディで連打で攻勢。しかし、太尊は左アッパーで顔を弾くと右ボディを決めて対抗した。4ラウンド終了時の公開採点は、39-37×1で太尊、38-38×2でイーブン。中盤は太尊の左カウンターが冴えわたり見栄えの良さをアピールしたが、細川も8回は飛び込んでのワンツーで顔をのけぞらせ反撃した。8回終了時は77-75(太尊)、77-75(細川)、76-76でドローと三者三様。9回、細川の右フックを皮切りに総力戦に突入。互いに譲らず採点の難しいラウンドが続いた。12回、細川がワンツーを決めれば太尊も左アッパーを突き上げ会場を盛り上げた。ジャッジに委ねられた採点は1者は太尊としたが残りの2者は引き分けで決着がつかなかった。
パンチは効いていない
 控室に戻った細川は、第一声に「悔しい。初めての引き分け」と漏らすと、金子健太郎会長は「レフェリーが相手のホールディングを注意していたら、もっと試合が面白くなっていた」とレフェリングに物言いをつけた。それでも細川は「結果は結果。また作戦を考えて頑張りますよ。俺はノーダメージだからすぐに練習を再開したい」とダイレクトリマッチに意欲を示した。
ダサい戦い方でも勝ったと思った
 一方、「勝ったと思ったが…」と悔しさをにじませた太尊は、「採点を意識して前半は足を使った。後半は勝負に出て打ち合ったが、相手の土俵で見栄えが悪かったかもしれない。向こうの土俵でも打ち勝てるようにしていかなければならない。作戦通りに戦えたが、ジャッジがそういう見方(引き分け)にしたのなら仕方がない」と試合を振り返った。
 細川との再戦について問われると、「決まったらまた対策を立てていく。自分はチャンピオンになる義務があるのでこれからも精進していく。この試合を肥やしにする」と前を見据えた。
採点表