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[試合後談話]2019.6.5

新人王予選注目の一戦は衝撃KO決着

奈良井の右がうねりをあげる
 東日本新人王トーナメント予選が5日に後楽園ホールで行われ、全8試合でし烈な争いが繰り広げられた。スーパーバンタム級4回戦では向山太尊(20=ハッピーBOX)と奈良井翼(19=RK蒲田)が対戦。3試合連続1ラウンドKO中のサウスポー向山とアマチュアキャリアのある奈良井の攻防に視線が注がれた。
奈良井が痛烈なKO勝ち
 ゴングと同時に鋭いパンチをでスリリングな打ち合いを展開。会場が盛り上がる中、奈良井が左フックを決めて先制のダウンを演出した。立ち上がった向山はワンツーを繰り出すが、足に力が入らなく奈良井の右ストレートを浴びて2度目のダウンを喫し、レフェリーがノーカウントで試合を止めた。
倒し切ろうと思った
 次戦にコマを進めた奈良井は、「相手の前回の試合を見て長引くと不利になると思ったが、会長やトレーナーに初回からプレスをかけていくようにアドバイスを受けた。作戦は上手くハマった。試合前は不安だったが、強い選手に勝つことができて自信につながった」と声を弾ませ、「次の相手もサウスポーだが、どう出てきても対応していきたい」と前を見据えた。
今成が逆転勝ち
 第8試合ではフェザー級4回戦で今成太希(22=三迫)と山口成也(26=厚木ワタナベ)が拳を交えた。初回、山口は打ち終わりを狙うと、飛び込んでくる相手に左フックを合わせてダウンを先取。守勢を強いられた今成は2回にタイミングの良い左ストレートでダウンを奪い返すと右フックでダウンを追加した。その後は今成が有効打で勝りポイントをピックアップした。
最激戦区のフェザー級の頂点を目指す
 破竹の3連勝を飾った今成は、「ダウンは少し焦ったが、セコンドから倒さなくて良いから全部ポイントを取っていこうと言われて肩の力が抜けた。倒されたが頭の中を整理して横の動きを意識した」と冷静に試合を振り返った。
 小学生から高校生まで野球をしていたという今成は、専門学校在学中にジムに入門。名門三迫ジムの先輩ボクサーに揉まれながらプロデビューした。今成は「自分よりキャリアのある選手と戦って今日がデビュー戦のような気持ちだった。次はもっとセコンドの指示を聞いて集中力を切らさないようにしたい」と抱負を口にした。