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[公開練習]2019.5.6

黒田雅之「6年前の自分とは違う」

仕上がりに手応えを掴んだ黒田
 川崎から世界へ――、IBF(国際ボクシング連盟)フライ級4位の黒田雅之(32=川崎新田)が5月13日(月)、後楽園ホールでIBF王者モルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)に挑む。2度目の世界挑戦を一週間後に控えた6日には川崎市内の所属ジムで練習を公開し、順調な調整と精神面の落ち着きを窺わせた。
 なお、試合は当日夜7時55分からテレビ神奈川で生中継され、解説を元WBC世界スーパーフライ級王者の川嶋勝重氏、ゲスト解説を3階級制覇王者の八重樫東(大橋)が務める。
勝てば令和最初の日本人世界王者誕生
 6年ぶりに世界戦のリングに帰ってきた"ラストサムライ"黒田は、練習前の会見で「自分以上に周囲が盛り上がってくれるので、良い意味で他人事のように感じる。やらなきゃいけないことだけに集中できている」と笑顔を交えて話し、令和初の国内世界戦にも「たまたまそうなるだけ。意識はしない」と試合に集中していた。
攻撃のバリエーションも増えた
 また、6年前の世界初挑戦時を振り返り、「当時は地に足がつかずフワフワしていたが、今回は落ち着ついていると感じる。会長に常日頃、嫌がらせのような無理難題をふっかけられ多少は動じなくなった」と、何度も精神面の成長を口にした。
新田会長の指導は厳しいが
 黒田を指導する新田渉世会長も「以前はピンチになったときに崩れやすかったが、最近はそれを跳ね返す逞しさが身についた」と評価し、ジム初の世界王者誕生に期待。指導に熱が入っていた。
この状態をしっかり維持したい
 この1ヶ月間だけでも50ラウンドのスパーリングを消化した黒田はこの日、法政大学の田中佳斗(3年)と3ラウンドのマススパーを行い、軽快なフットワークから手数とコンビネーションを意識した攻撃で仕上がりの良さをアピール。その後もシャドー、サンドバッグなど2時間近くの練習でたっぷりと汗を流し、「この時期にしては悪くない」と手応えを掴んでいた。
川崎から世界王者誕生となるか!?
 ウェイトも練習終わりで残り1.5kgと順調そのもの。デビュー当時の力強さと、新田会長の指導により身についた基本のボクシングで世界獲りを目指す黒田は、「ムザラネはガードが硬く攻撃のテンポが速い選手だが、上下の打ち分けや隙間を縫うパンチでガードをこじ開けたい。基本的なことをどれだけ実行できるかだと思う。気持ちで相手の先をいきたい。良い試合を見せられると思う」と自信を示した。