ボクシングモバイルニュース
[海外ニュース]2019.4.29

今週の海外注目試合

ミドル級3冠戦
 今週の海外注目試合は米国・ラスベガスのTモバイル・アリーナで5月4日(日本時間5日)に開催されるビッグマッチをピックアップする。WBA(世界ボクシング協会)スーパー、WBC(世界ボクシング評議会)ミドル級統一王者サウル"カネロ"アルバレス(メキシコ)と、IBF(国際ボクシング連盟)同級王者ダニエル・ジェイコブス(米国)による世界ミドル級3冠統一戦。毎年恒例となったメキシコの戦勝記念日となるシンコ・デ・マヨの週末にアルバレスが再び登場する。

*日本時間5月5日(日・祝)にアメリカ・ラスベガスのT‐モバイルアリーナで行われるWBAスーパー、WBC、IBF世界ミドル級3冠王座統一戦、アルバレスvsジェイコブス戦をストリーミング配信サービスの「DAZN(ダゾーン)」が独占ライブ配信を行う。
アルバレス2年ぶりのシンコ・デ・マヨ
 メキシカンの祝日シンコ・デ・マヨで、15年から17年まで3年続けてメインを張ってきたアルバレス。昨年も5月5日に元世界ミドル級統一王者のゲンナジー"GGG"ゴロフキン(カザフスタン)との再戦がセットされていた。しかし、薬物検査で禁止薬物の陽性反応を示し、半年間の出場停止処分が下されてしまうと両者のリマッチは延期に。そうしてスライドされた9月に因縁のリマッチを2-0の小差判定で勝利。その後、DAZNとプロスポーツ史上最高額となる410億円契約を結び、昨年12月にWBAスーパーミドル級王座を獲得し3階級制覇を達成した。
実力者"ミラクルマン"ジェイコブス
 一方のIBF王者ジェイコブスは11年5月に脊椎の骨肉腫が発覚し、一時は現役続行不可能と思われた。しかし、1年7ヶ月ぶりに再起戦を初回勝利で飾ると、14年8月にはジャロッド・フレッチャー(オーストラリア)を5回TKOで敗り、WBA世界ミドル級暫定王座を獲得。奇跡のカムバックにより"ミラクルマン"と呼ばれるようになった。そして17年3月には当時無敵のゴロフキンに小差判定で敗れるも、大善戦し実力を証明。昨年10月に同門のセルゲイ・デレフヤンチェンコ(ロシア)を2-1の判定で下しIBF同級王者へ返り咲き、好敵手として再びビッグマッチの舞台に立ち上がることになった。
DAZNによるPPVからの脱却
 そして、この世界ミドル級3冠王座統一戦を、米国内ではDAZNが通常配信契約で視聴可能とし、これまでのビッグマッチ=PPV(視聴課金システム)のビジネスモデルからの脱却を試みている。しかし、この試合決定を伝えた後、米国のDAZNは新たな料金体系を今年3月に発表。月額9.99ドルだった視聴料金が19.99ドルとなり、また新たな契約体系として年額99.99ドルのサービスを導入した。そうしたDAZNの動きが今後、米国ボクシング界のビッグマッチにどのような影響を及ぼしていくのかにも、今週末のラスベガスに注目が集まっている。