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[発表会見]2019.3.7

中国で新しい木村翔を見せたい

3月30日に中国・上海で再起
 前WBO(世界ボクシング機構)フライ級王者の木村翔(30=青木)が7日、都内の所属ジムで会見を開き、今月30日に中国・上海で開催される「日中交流戦」で再起すると発表した 。対戦相手は72戦60勝(24KO)10敗2分の戦績を誇るウィチャー・プライカオ(37=タイ)で、10回戦で行われるこの試合は空位のOPBF東洋太平洋フライ級シルバー王座が懸けられる。
 また、この大会は木村のほか日本人5選手が出場し、中国人選手と交流戦を行うが、17年7月に上海で五輪2大会金メダリストの鄒市明(ゾウ・シミン)から王座を奪取し、中国での知名度を一気に高めた木村は中国側のゲスト選手として扱われる。
ロマチェンコの名を出し照れた木村
 木村は昨年9月に2階級制覇王者の田中恒成(畑中)を迎え3度目の防衛戦を行ったが、フルラウンドの激闘の末、判定2-0で王座から陥落した。年間最高試合にも選ばれたこの一戦を振り返り、木村は「負けてから自分に足りないものを追及するようになった。改善点はある」と話し、最近では有吉将之会長に勧められ、世界最高峰の技術を持つと謳われる3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の映像を見て、足の運び方などを勉強していると明かした。
今後は中国を主戦場にしたい
 有吉会長も「以前のような(徹底的に追い込むといった)ハードな練習はしていないが、その分、技術的なことに時間を割いている。ボクシングの幅を広げたいと本人に欲がでてきたことは嬉しい」と喜び、今や中国でスター選手と認知される木村に「彼にしかできないこと、高待遇を受ける中国で世界戦を実現させるためにも次の試合が大事。インパクトのある試合、前よりも強くなった新しい木村を見せたい」と期待した。
日本では3戦したプライカオ
 プライカオは、日本ではピグミー・ゴーキャットジムの名で知れたベテランで、昨年4月に当時WBOアジアパシフィック・フライ級王座を保持していた坂本真宏(六島)に挑み、6回KO負けを喫して以来の試合となる。有吉会長は「2回の世界戦を経験し、木村の3倍のキャリアを持つ実力者」と警戒し、これから映像を見て対策に入ると話した。
日中友好の架け橋にもなりたい
 また、今月16日に岐阜で行わる、田中が元WBA・IBF世界ライトフライ級王者の田口良一(ワタナベ)を迎えての初防衛戦にも質問がおよび、木村は「田口選手の出来しだいだが、6:4で田中くん優位。噛み合った面白い試合になる」と予想。自身は「もう日本人同士の世界戦はあまりやりたくない」と本音を明かしたが、田中には「日本が誇るボクサーになってほしい」とエールを送った。