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[試合後会見]2019.2.14

勅使河原弘晶が関西の新鋭とV1戦

左の差し合いで始まった
 OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の勅使河原弘晶(28=輪島功一スポーツ)が14日、後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のメインイベントに出場。同級7位の入口裕貴(21=エスペランサ)を迎えて初防衛戦に臨んだ。試合は挑戦者の入口がジャブで顔を弾き上々のスタートを切った。
勅使河原が初防衛に成功
 ペースを握られた勅使河原だが、2回になるとジャブから右ストレートで膝を揺らし流れを引き戻した。勅使河原はスピードの差を見せて多彩な左で鼻血を流させ、4ラウンド終了時の公開採点で39-37×2、40-36×1とリード。その後も左を軸に着実にダメージを与えた。入口は単発の右を決めるも劣勢を挽回するまでには至らず。8回、勅使河原はワンツー、左フックでふらつかせると、力なく後退した入口を攻め立てレフェリーストップに持ち込んだ。
入口選手の気持ちの強さが伝わった
 多くの報道陣に囲まれて会見に応じた勅使河原は、試合1ヶ月前に行ったWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)とのスパーリングでスランプに陥ったことを告白。さらに初回に右拳を痛めたことを明かした。苦笑いを浮かべた勅使河原は、「相手のパンチをもらうたびに悔しくて惨めな気持ちになった。右拳の握りが弱くなり、普段どれだけ右に頼っているのかと感じた。今日の試合は勉強になった」と反省を口にした。
 試合後にリング上のインタビューで「日本で一番強い相手と戦いたい」と語った勅使河原は、「今日の試合を勝ったところで世界とはならない。国内ナンバーワンを証明して世界に行きたい。これからも厳しい試合をしていきたい」と決意を口にした。  
チャンピオンは強かった
 一方、最後は力負けする結果となった入口は、「1ラウンド目は行けるかなと思ったが、続く回からは攻撃のタイミングが読めなかった。何発か手応えもあったが、後手になってしまい、ジャブを当ててからの攻撃に欠けた。途中で右を痛めているのも分かったが、それでも強かったです」と素直にチャンピオンの強さを認めた。
 その後、勅使河原の控室を訪れた入口は、互いに健闘を称え合うと「もっと上に行ってください。その時にもう一度挑戦させてもらいます」と再戦を熱望した。
田村亮一(JBsports)
 この試合を観戦した日本スーパーバンタム級王者の田村亮一(JBsports)は、「初回から勅使河原選手のペースで進んでいた。パンチの強弱が上手くてフリーで色々なパンチを打ち込んでいた。素晴らしい出来でした。勉強になりました」と感想を口にした。
採点表