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[発表会見]2019.1.17

谷口将隆「京口に続き、超えたい!」

勝って有名になりたい!
 WBO(世界ボクシング機構)ミニマム級2位の谷口将隆(24=ワタナベ)の世界初挑戦が決定! 17日に都内の所属ジムで会見が開かれ、2月26日(火)の後楽園ホールでWBO世界同級王者ビック・サルダール(28=比)に挑むことが発表された。
 昨年11月にタイ・バンコクで決定戦を制しWBOアジアパシフィック同級王座を獲得した谷口は、プロ入りから14戦目での世界挑戦に「やっとチャンスが来た!絶対に獲りたい」と王座奪取に意欲を示した。
山中から王座を奪ったサルダール
 サルダールは、15年12月に当時のWBO世界ミニマム級王者の田中恒成(畑中)に挑むも6回KO負けで王座獲得に失敗したが、昨年7月に神戸で前王者の山中竜也(真正)を判定で破り、2度目の挑戦で世界奪取に成功。この試合で7回にダウンを喫した山中は、後の検査で硬膜下血腫が認められ、引退を余儀なくされた。
 今回が初防衛戦となるサルダールの戦績は21戦18勝(10KO)3敗。兄は昨年7月に前WBO世界フライ級王者の木村翔(青木)に挑戦したフローイラン・サルダール。
悔しさを味わってきた
 谷口はアマチュアで74戦55勝(16KO)19敗の成績を残し、大学卒業後の16年4月にプロデビュー。技巧派サウスポーとして、同時期に入門した京口紘人とともに期待されたが、17年4月の日本王座決定戦、同年11月のOPBF東洋太平洋王座挑戦は、いずれも小差判定負けでタイトルに届かず。8戦目でIBF世界ミニマム級王座を獲得した京口と比較され悔しい思いを重ねてきた。さらに昨年4月には左手甲の関節を脱臼する不運にも見舞われ、全治までに半年間を費やした。それでも腐らずに精進を重ね、昨年11月に3度目のタイトル挑戦で念願のベルトを巻いた。
怪我をよく乗り越えたと渡辺会長
 会見では渡辺均会長も谷口の前向きな姿勢を高く評価。満を持して挑む谷口に「怪我をした時には心配したが、よく立ち直った。サルダールはパンチがあって良い選手だが、後半に勝負を懸けて倒してくれるのでは」と期待した。
 谷口を指導する井上孝志トレーナーも「これまでは大事な試合を取りこぼす精神面の弱さがあったが、苦労の末にタイトルを獲り成長した。元々は京口以上のテクニックを持っている選手なので、確実にサルダールを潰せると思う」と自信を口にした。
元旦に引いたおみくじは「野望叶う」
 試合の模様は後日、TBSのガッツファイティングで放送され、当日はジムの先輩で元WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志氏、京口が解説を務める。谷口は「内山さんには強くなったところを見てもらい、京口には『スゲー!』と言わせたい。京口に追いつき、いずれは超えたい」と拳を握った。
 正月返上で準備を進め、すでに12ラウンドのスパーリングも消化している谷口だが、2月の頭から1週間の予定でフィリピン合宿を行い、敢えて敵地でサルダール対策に取り組むという。これは、以前にサルダールのトレーナーを務めていたベニー氏と井上トレーナーが旧知の仲で、ベニー氏から秘策を授かるため。怪我をしてから徹底的に走り込んだ谷口は、元旦も五反田の寮から浅草寺まで14kmのロードワークを行ったほどで、磨きをかけたスタミナに絶対の自信を示した。
サルダールを後半に仕留める!
 最後に神戸出身の谷口は、24年前のこの日に起きた阪神淡路大震災に触れ、「僕は1歳になる2日前だったが、近所の長屋が全焼するなど母親からは地獄だったと聞いている。この日に会見を開けたことは何かの縁だと思うし、こんなヤツが震災のあった神戸から出たことを知ってもらいたい」と地元に想いを込めた。