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[一夜明け会見]2018.12.31

V1の伊藤雅雪、V5の拳四朗が2019年の飛躍誓う

拳四朗と伊藤が喜びの会見
 二人揃っての晴れやかな顔が印象的だった。30日に大田区総合体育館で開催されたトリプル世界戦「FUJI BOXING」で、5度目の防衛に成功したWBC(世界ボクシング評議会)ライトフライ級王者の拳四朗(BMB)と、初防衛戦を7回TKO勝ちで飾ったWBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(伴流)が一夜明けた31日、都内のホテルで喜びの会見を開いた。
世界戦4連続KOは絶たれたが良い経験になった
 拳四朗は自身より12cm以上低く、なおかつ腰を落として構える同級7位のサウル・フアレス(メキシコ)にやりにくさを覚えながらも、ジャブと抜群の距離感で終始ゲームを支配し、ほぼフルマークの判定勝ちで国内現役最多となるV5を達成した。
モヤモヤ感が残ったと拳四朗
 試合を振り返り、「フアレスは頭の位置が定まらず当てにくかった。連続KOの意識があって変に考えすぎてしまった。無理に倒そうとせず、もっと自分の距離でやっていればちゃんと当たっていたはず。モヤモヤ感が残っている」と改めて反省した拳四朗だが、それ以上に経験値を上げたことで納得。2019年は統一戦も視野に入れつつ、長期政権を築いていきたいと語ったが、大晦日にマカオで行われるライバル、京口紘人(ワタナベ)のWBA世界同級王座挑戦はテレビで観戦せず、友達と遊んで過ごすと話した。
伊藤は20戦全勝の挑戦者を粉砕!
 また、鬼門の初防衛戦に臨んだ伊藤は、序盤こそ頭から突進してはクリンチで逃れる指名挑戦者のエフゲニー・チュプラコフ(ロシア)に手を焼いたが、5回に鬱憤を晴らすかのように強打をまとめると、7回にラッシュを掛け、相手陣営にタオルを投入させた。
 バッティングで負った左目上の傷痕が残る伊藤は、「序盤まで対応できなかったのは僕のせい。年末の試合で熱いファイトをしようと気持ちが前に出過ぎてしまった」と、拳四朗同様に臨機応変さが足りなかったと課題を口にした。それでも、昔の伊藤であればイライラして深みにハマるところを、中盤からは距離を取ってダメージを与えるボクシングに修正。これを収穫と捉えたイケメン王者から白い歯がこぼれた。
これからは傷を負わないことも大事
 今後はアメリカでの防衛戦も見据え、名前のある選手との対戦を希望。その第一候補にWBCの絶対王者ミゲル・ベルチェル(メキシコ)を挙げた。さらにトレーニングで今より身体が大きくなれば、来年、再来年のライト級転向の青写真も描いた。
意外にも息のあった二人
 両チャンプは1月生まれの共通点以外、これまで特に接点はなかったが、ひとつ上の27歳の伊藤が「拳四朗選手の穴のないスタイルを勉強させてもらっている」と持ち上げ、「(彼に比べたら)僕はまだまだだが、僕にしかできないことをして伊藤の名前を印象づけ、ボクシング界を盛り上げたい」と抱負を語ると、拳四朗も「伊藤選手の迫力あるまとめ方は上手い。僕も昨日の試合でやりたかった。あと男前に嫉妬する(笑)。僕もルックスを磨いて頑張ります」と返し、笑いを誘った。2019年も挑戦を続ける二人から目が離せない!