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[東京五輪]2018.12.3

山中慎介氏、AKBも絶賛の中野区マッチ

「する」「みる」「ささえる」が凝縮したイベントとなった
 2日、東京・中野区にある中野体育館では「ONE NAKANO Through the Sports~スポーツで中野はひとつになる~」をテーマに『THE BOXING SHOW NAKANO SPECIAL MATCH』が行われ、DJケチャップ氏の司会進行でゲスト登場した中野名誉区民でもある山中慎介氏(元世界WBC世界バンタム級王者)、お笑いタレントの山本博氏(ロバート)、アイドルグループ・AKB48の大家志津香氏と馬嘉伶氏がトークショーで会場を盛りあげたのち、エキシビションマッチやボクシング体験が楽しまれた。
山中氏・小坂氏・司会のケチャップ氏
 山中氏は滋賀県出身ながら、中野区在住歴は長く、引退セレモニーも中野区役所で行ったほど地域に溶け込んできた。司会者が「区内で山中さんを見たことがある人」を客席に探した際も、多くの手が挙がった。
 ファーストセッションで同氏は「中野区でボクシングのイベントが開かれたことは嬉しいし、この体育館は試合会場にも使えそう。今回でボクシングの見方が変わると思うので今後はもっと楽しんでもらいたい」と願った。
 また、来場した日本ボクシング連盟役員のうち、審判委員長が専修大学時代の恩師だった小坂則夫氏であることに「今日、台本を見て初めて知った」と驚いた。勝ったり負けたりを繰り返していた大学時代の山中氏について、小坂氏から「南京都高校時代に全国優勝の実績があるのでセンスはあったが、あまりシャカリキになって練習した様子がなかった」と突かれると、山中氏は「すみませんでした」と深々と頭を下げて笑い話となった。
激しくペース争いをした木村と完山
 3分3ラウンドのスパーリング形式で行われるエキシビションマッチは当初、田中亮明(中京高校・教)対堤駿斗(東洋大学)も予定されていたが、右手の親指を骨折した堤が手術直後にあるため、全日本選手権優勝の実績もある大学の先輩、木村蓮太朗(東洋大学)が代打出場。田中も職務の関係で欠場し、国体少年の部準優勝の実績を持つ大学の後輩、完山隼輔(駒澤大)が代打する対決となった。また、森坂嵐(東京農業大)も出場予定だったが、体調不良で欠場し、後輩の元高校6冠王、斎藤麗王(同)が今年好調だった嶋田淳也(駒澤大)の相手を務めた。
スパー後にインタビューされる女子選手たち
 当初の出場メンバーの半数が代打となったが、山中氏は攻防で見せられる技術力を絶賛。「短距離ダッシュのようにハイテンポな駆け引きなのでプロとは競技性が異なるが、プロとしても世界ランカーに通用する技術」と評価した。AKB両氏も感嘆の声を挙げ続ける中、ラストゴング後は勝敗をつけずに両者の手を挙げる形式が取られたが、先日の世界女子選手権でフライ級の銅メダルを獲得した並木月海(自衛隊体育学校)だけは、坂下莉衣(拓殖大学)を3回RSCに仕留めた。
少年の指導に奔走する斎藤
 その後は、練習タイム・体験タイム・ボクシング体験。経験者の少年少女も少なからずいたが、「ボクシングを生で観るのも初めて」という来場者が約半数おり、初歩的なフォーム講習からミット打ちまで存分に楽まれた。
ボクシング貢献に熱心な山本氏
 もう一人のイベント立役者、ロバートの山本氏は肩こりと腰痛をきっかけにボクシングに始め、のちに東日本新人王となるジロリアン陸(フラッシュ赤羽)から「有名人初の公式戦勝利(初回KO勝ち)」を収めた実績を持つ。「試合では応援が大事。ボクシングを観てもらっているようで、人間を見てもらっている一面があると思った」と体験談を語り、「今日、ボクシングを教えてくれた先生が試合で戦っていたら、応援したくなるはず。是非ともボクシングをこれからも楽しんで」と来客にリクエストした。